寺子屋塾

「潜在意識を把握する」ってどういうこと?

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「潜在意識を把握する」ってどういうこと?

「潜在意識を把握する」ってどういうこと?

2024/02/19

寺子屋塾の教室では、インタビューゲームを

日常化する試みとして、

次に示すインタビューゲームの3つのルールを

そのまま教室のルールとしています。

 

 

 1.何を聞いてもイイ
 2.答えたくないことは答えなくてイイ
 3.聞かれていなくても話してイイ

 


指導者の立場にあるわたしは、塾生から問われる

どんな問いに対しても応じられるように

常に心がけてきました。

 

もちろん、どんな問いにも応じるということは、

わたしがその問いの正解をすべて知っていて

教えられるという意味ではありません。

 

たとえば、「この世界から戦争を無くすには

どうしたらいいとおもいますか?」という

問いのように、予めきまった正解が

与えられていない問いもありますし、

わたしが答えるよりも、

自分のアタマで考えた方がイイ問いもあり

そんなときには、考えるためのヒントを

示すぐらいにとどめるようにしています。

 

それでも、発問から始まるコミュニケーションとは、

対話に基づく場づくりの基本で、

わたしも質問を聞くことで、

その人がどういうところに意識が向いているのか、

いまの課題がどこにあるのかわかり、

何がわかっていて、何がわかっていないかが

把握できるなど、

とても利点が多いこともわかってきました。

 

2週間ほどまえに投稿した次の記事

そもそも〝自分で決める〟とはどういうことか?(その2)

にも書いたことなんですが、

セルフラーニングの姿勢が

どれだけ身につき、どこまで実践できているかは

世間的な評価軸や自分の評価軸にとらわれずに、

自分自身の日々の行動や体験に対して、

「〝問い〟が浮かぶようになっているかどうか」

一つの指標になり得るわけです。


・・ということで以下、1週間ほど前に

教室にやってきた塾生とのやりとりしたことを

その内容をすこし補足し書き起こしてみました。

 

ーーーーーーーーーーー
Q:お正月明けに配信された響月ケシーさんの

『現実創造の掟』というYouTube動画の中で、

「人間の心には自分に把握できない潜在意識がある」

「自分自身の見張り役になることが大事」って

言われてました。

その潜在意識って

無意識と言われることもあるとおもうんですが、

そういう把握できないような

潜在意識や無意識を把握することなんて、

そもそもできるんですか?

 

A:だいたい皆さんそんな風におもってますよね。

さすがに今日では心理学的な知見が普及して、

「潜在意識」や「無意識」という言葉を聞くだけで

胡散臭いとか、マユツバとかおもう様な

保守派は少ないでしょうけど、

それでも心や意識の仕組みは

まだまだわかっていないことも多いんですね。

 

ケシーさんが言ってるからとか、

わたし(井上)が言ってるからとか、

本で読んだことがあるからという理由で、

「潜在意識」や「無意識」の存在について、

大脳思考の領域内で知識として知っていたとしても、

その片方でそういう風に疑問におもっているために

活用できていない人が大半じゃないかな。

 

だから、その言葉の意味する内容が心底腑に落ち、

身体レベルで実践できている人は

多分ごく少数でしょう。


でも、「潜在意識は自分の意識で

コントロールできないようなところにあるから、

そんなできないようなことを意識する必要はない」

って考えてしまうから、結果的に多くの人は、

そのコントロールできない潜在意識に

振りまわされながら生きてるんじゃないかな?


たとえば、「人前で話すのが苦手」っていう人が

居たとしますね。その人は人前で話そうとするたび

苦しみを感じるわけです。

 

その苦手意識や苦しみっていうのは

自分で実感できることだから、

それは当然顕在意識の側にあることなんですが、

その人がなぜ「人前で話すのが苦手」と感じたり、

話すことに苦しみを感じるのか、何のために

そうした苦手意識や苦しみが存在するんでしょうね?

 

潜在意識は、その人のそれまでの体験や

記憶の集積で形づくられているわけだから、

もし、その中に何もなければ、

「人前で話す」という行動自体に対し、

その人はどうでもいいって考えるだろうし、

たぶん何も感じないんじゃないかな。


つまり、苦手意識や苦しみを感じたりするのは、

潜在意識の中に〝何か〟———それはたとえば、

人前で話しているときに大きな失敗をやらかした

過去の体験とか———が詰まっている。

 

でも、潜在意識というのは言葉を持っていないので、

苦手意識や苦しみっていう形で

そのサインを出すわけです。


だから、大脳思考を使ってその苦しみを言葉に

翻訳してあげる必要があるわけなんだけど、

多くの人はアタマをそういう風に使うことに

慣れていないし、

ネガティブなイメージが先行してしまうために、

苦手意識や苦しみを感じるところで

止めてしまいがちなんだ。


そこで「自分の本心はどこにあるんだろう?」と

自分に問いかけるためには、

おもいこみや幻想に振りまわされず、

事実をよく観る姿勢が必要なんだけど、

ふだんからそのように心がけていることで、

潜在意識の発するメッセージは少しずつ

翻訳できるようになってくるんですね。

 

だいたい、自分の見たくないものや

顕在意識にとって都合の悪いモノが

潜在意識に蓄積されていくので、

(心理学ではこの現象を〝抑圧〟という)
結果的に潜在意識は顕在意識を裏返した形に

なるから、そうしたしくみが

だんだん飲み込めるようになってくると、

「自分が人前で話すことに苦痛を感じてしまうのは、

本心では人前で上手く話せるようになりたいと

おもっているからだ」と納得できるんじゃないかな。


身体でも熱を出したり、痛みを感じたり、

下痢したりするのは、

身体の内部に何らかの異物が混入して、

身に危険が迫っていることのサインだから、

けっして痛みを感じること自体が

病的でも異常でもないわけだし、

むしろ身体が健康だから

そうやって反応できるわけですからね。


でも、「潜在意識は自分の意識で把握できない」って

いうのは、正確に言うと

「潜在意識、無意識領域の中味を自分で直接

知ることができない」って意味なので、

知ることができないからといって、

それを意識しなくていいってことにはならないよね?

 

相手の心の中ナンテ目には見えないからって理由で、

それを無視しても構わないって考える人なんて

ほとんど居ないように。


つまり、意識できないから

それを意識しなくてイイどころか、むしろその逆。

 

潜在意識は自分で直接意識できない

しくみになっているからこそ、

自分でその見張り役になることに意味があるわけで、

見張り役になるってことは、言い換えれば、

そうした人間の心の構造というか、

意識のしくみを熟知するってことなので。


潜在意識や無意識っていうのは、

心の中の見えない世界の話だし、

自分で意識できないからこそ、

その見張り役になることって

ホント大事なことなんだけど、

でも、その大事さに自分で気がつく人は

現実にたぶんごく少数でしかないでしょう。

 

でも、わざわざ野口晴哉さんの話を持ち出さなくても

誰もが本心では

みな勉強ができるようになりたいと

おもっているんですよね〜? 違いますか?

 

寺子屋塾では、

口では「勉強なんてキライだ!」とか言ってても

勉強ができるようになりたいって

おもっていないひとなんて

一人もいないとおもって

関わる姿勢を大切にしています。

 

目の前にある算数プリントを

自分で決めて1枚やるってことと、

潜在意識の話がつながっているなんて、

想像できない人がほとんどでしょうから、

問われればこうして答えるんですが、

指導者であるわたしの方からこういう話を

積極的にすることはほとんどありません。

 

そもそも、「自分で決める」ってことが

どういうことかがピンと来てない人が

少なくないんですよね〜

 

正直、かく言うわたしにしても、

30代半ばで寺子屋塾を始めるまでは、

上意下達的な指導のあり方を

まったく疑うこと無く教えること中心の

教育を実践してきた人間でしたし、

プリントを1日1枚やることを

自分で決め、

頑張らなくてもやれる状態をキープできることが

どれだけ大事なことなのか、

わたしだって身体レベルまで身に付いて

その価値が心底腑に落ちるまでには

10年以上かかったぐらいだから、

わたしがちょっと話したぐらいで、

身体レベルで腑に落ち、

すぐ実践できるようになる人はほとんどいません。


もちろん、それはわたし自身の指導者としての

力量不足ってこともあるんだけど、

でも、だからこそ寺子屋塾で行っている

〝体験と対話にもとづく学習〟には

価値があるってことでもあるとおもうんですね。

 

潜在意識が自己管理できるようになれば———

らくだのプリントでいうと、

1年365日のうち、頑張らなくても

350日ぐらいやれるようになって

それが当たり前のように持続し、

元の状態に逆戻りすることもなくなってきたら、

ケシーさんの言われる通り、おもいどおりの人生が

目の前に展開するようになるって話は、

わたし自身も体験してきたことでもあるので、

けっして絵空事などではないんですよ。

 

でも、あくまでそれは自分の現状を受け入れ、

潜在意識の自己管理が

できるようになった結果として

起こってくることなので、

おもいどおりの人生が

歩めるようになることを目指して

プリントを毎日やるっていうのは、

本末転倒なんですね〜

 

それが、らくだメソッドにおいては、

「できるようになることを目指さない」って

言葉の意味することなんです。

 

 

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