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TBSドラマ『逃げ恥』名セリフ&名場面集(その47)

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TBSドラマ『逃げ恥』名セリフ&名場面集(その47)

TBSドラマ『逃げ恥』名セリフ&名場面集(その47)

2026/03/28

2/10からこのブログでは、

TBSドラマ『逃げ恥』名セリフ&名場面集を

お届けしているんですが、

1話につき1シーンずつ

順番に引用する形でランダムに紹介していて、

この記事で47回を数えています。

 

ドラマ『逃げ恥』は

アマプラなどで手軽に視聴できますから、

観たことがない方も、

この記事にアクセスされたことを契機に

是非ご覧になってみて下さい。

 

3/25に投稿した記事で四巡目が終了し

一昨日から五巡目がスタートしているんですが、

今日は第3話から、冒頭タイトルバックの前、

2分30秒過ぎたあたりで

みくりが平匡の様子がおかしい原因を探って

パンツを洗ったことで起きた

平匡とのやりとりを回想するシーンを。

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〔平匡のマンションにて〕
みくりM:〔かごの中の洗濯物を洗濯機に入れながら〕(いままで意地でも洗わせてくれなかったパンツを洗濯かごの中に発見。やった!ついにパンツの洗濯を任されるまでに従業員として信頼された!)
みくりM:(意気揚々と洗濯!…)〔ベランダでパンツを干している〕
平匡:〔会社から帰ってくる〕
みくり:〔帰って来た平匡に、洗濯物をたたみながら〕お帰りなさい!
平匡:〔みくりが自分のパンツをたたんでいるのをみて、慌ててパンツをみくりから取り上げ〕すみません!洗って貰うつもりじゃ……つい、うっかり。
みくりM:(…信頼された訳じゃなかった…) 〔みくり悄気る〕
みくり:〔気を取り直して〕これを機に一緒に洗いましょう。パンツだけ別に洗うのは不経済です。平匡さんの部屋で室内干しをするよりも、日光に当てた方が紫外線の殺菌効果も手伝ってパリっと気持ちがいいと思います。実家では父の下着も洗ってました。わたしの方は全く気にしないので、そうしましょう。
平匡:〔しぶしぶ〕……はい。
みくりM:(…と、強引に話を纏めてしまったけれど…平匡さんにとってパンツは…自意識の砦だったのかもしれない…)
みくり:たかがパンツ…されどパンツ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

TVドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』第3話より

 

COMMENT:みくりが平匡のパンツを洗い、干し、畳んでしまう。たったそれだけの出来事なのに、二人の関係の輪郭がくっきり浮かび上がってくる――このシーンの面白さは、まずそこにありますね。ドラマを観ているわたしたちがおもわず笑ってしまうのも、下着というアイテムの可笑しさそれ自体というより、「親密さの交渉」がパンツという、あまりにありきたりな生活寄りの素材で始まってしまうことの滑稽さゆえなのでしょう。

 

平匡が慌ててパンツを取り上げた瞬間、みくりは(……信頼された訳じゃなかった……)と一度は悄気ます。けれど、その落ち込みを引きずりません。ここがみくりらしいところで、次の瞬間には気を取り直して、合理性のプレゼンに切り替えていきます。「パンツだけ別に洗うのは不経済」「日光に当てたほうが紫外線の殺菌効果でパリッと気持ちがいい」「実家では父の下着も洗っていた」。いわゆる恋愛ドラマの〝ときめき〟”でなく、経済性と衛生面という、生活のレールの上から距離を詰めようとするんですね。

 

しかも、相手は論理にはすこぶる弱い平匡ですから、結局はしぶしぶ「……はい」と合意してしまう。ここの「合意の速さ」がまさにコントで、テンポが小気味よく決まっている。このシーンでわたしたちが笑えるのは、みくりの言い分が妙にもっともらしく、平匡の返事がこれまた妙に弱っちぃからでもあります。この二人の噛み合わなさが、そのまま可笑しさに変換されているわけで。

 

ただ同時に、この場面が扱っているのは、家事という範囲の問題だけでなく、契約条件などでは割り切れない、私的な領域が絡み始める瞬間でもあるんですね。雇用関係としてなら、洗濯は〝業務〟です。けれど下着は、他人に触れられた途端、急に身体の領域に近づいてくるので、平匡にとってパンツは、まさにみくりの言うように〝自意識の砦〟だったのでしょう。そこにまで踏み込まれるのは、雇用契約の条項では処理できない恥ずかしさとして立ち上がってしまう。

 

そこをみくりは合理で押し切ることで、関係を一歩前へ進めようとした。けれど平匡の側には、「まだそこは触れないでほしい」という感覚が残っていて、ここに二人の段差がある———そして、この段差のリアルさに観ているわたしたちも共感しつつ同時にクスッと笑ってしまうのでしょう。笑いの芯にちゃんと痛みが混ざっている・・・。

 

そして、みくりが「たかがパンツ…されどパンツ!」と言い切ることで、この場面が単なる下ネタとしての面白さでなく、大切なテーマの宣言になっていることに気づかされます。他人と一緒に暮らすということは、シリアスで重大な話し合いを重ねること以上に、こうした日常の些細な出来事から互いのプライドや恐怖が露出してしまう———つまり、パンツ1枚が、ふたりの関係の境界線を照らしてしまうというような、そうした瞬間があるんじゃないかと。

 

ここに『逃げ恥』というドラマの、他にはない巧みさと面白さがあると感じました。結局、毎日の暮らしとは、こうした小さな出来事の連続でありその積み重ねなのですから・・・って今日の記事でもまた、小さなことの積み重ねの大切さ、日常性という寺子屋塾のコアなテーマに回帰してしまいましたね。「たかが算数、されど算数!」(^^;)

 

この名セリフ&名場面集で紹介しているセリフは、2020年に放映された『逃げ恥・ムズキュン特別編』を土台に、野木亜紀子さんの『逃げ恥シナリオブック』を参考にしています。また、さらに詳しく知りたいという物好きなお方(笑)は、次の記事をはじめとしてタグ「逃げ恥」を付している過去記事等(とくに2021~2022年に投稿)を適宜アクセスください。
ドラマ逃げ恥「平匡さんの自由意志です。どうしますか?」(「今日の名言・その13」)

TVドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」原作マンガ(全11巻)のこと

『脚本家・野木亜紀子の時代』を読み始めています

 

この続きはまた明日に。(^^)/

 

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