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補助輪を捨てるのが遅くなりすぎないように

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補助輪を捨てるのが遅くなりすぎないように(つぶやき考現学 No.66)

補助輪を捨てるのが遅くなりすぎないように(つぶやき考現学 No.66)

2022/01/05

風呂を湧かすときには、
蓋が無いと湯が冷めて困るが、
湯が沸いたら、蓋を取らないと
風呂に入れなくなってしまう。笑
 
おなじように、
初めて自転車に乗ろうとするときは、
自転車に乗れる人に不要な
補助輪をつけて練習するのがふつうだ。
 
だから、補助輪つきの自転車に
乗れるようになっても、
アタリマエのようについている
補助輪を取り去ろうとすれば、
おのずと状態は不安定になる。
 
しかし、補助輪は外そうとしなければ
次のステップには行けない。
 
つまり、倒れてしまいそうな
不安定さを自分ひとりで引き受け、
それを感じ取ることではじめて、
自転車と身体がひとつになって
自分の行きたい方へ動いていく
感覚がつかめるからだ。
 
青虫がやがてさなぎになり、
そしていつかは必ずチョウになるように、
補助輪が要らなくなるタイミングは
自然な流れに委せてさえいれば、
だれにでも必ずやってくる。
 
ずっとさなぎのままで
居ようとすることは
おそらく死を意味するだろうから、
できることは、補助輪を捨てるのが
遅くなりすぎないように、
そのタイミングを見誤らないことだ。(2019.7.17)

 

※井上淳之典つぶやき考現学 No.66

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