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相手にどう伝わったかを丁寧に確認すること(つぶやき考現学 No.18)

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相手にどう伝わったかを丁寧に確認すること(つぶやき考現学 No.18)

相手にどう伝わったかを丁寧に確認すること(つぶやき考現学 No.18)

2022/09/28

自分の発した言葉が
自分の伝えたいように
相手に伝わることはほとんどない。
 
また、自分の想いが伝わらないのは、
相手の理解力がないためだと
相手を否定したり、
自分に伝える能力がないためだと
あきらめたり、開き直ったり、
自己嫌悪に陥ることも少なくない。
 
もちろん、伝えるための言葉を選ぶとか、
伝え方を工夫するとか、
伝えたいことを伝えようとすることに
最大限の努力を重ねようとする姿勢は必要だし、
けっして無駄なことではない。
 
でも、自分の言葉が相手にどう伝わるかについて、
どんなに厳密に予測したとしても
おのずと限界があるし、
所詮、自分の思考範囲を越えられないから、
結果として相手に伝わることは
自分の伝えたいことと食い違うのが
当然だと考えた方がいい。
 
だから、伝えたいことを相手に伝えようと
本気でおもうのならば、
伝えようとした言葉が
実際にどう伝わったかを
相手に聞いてみればいいだけのこと。
 
食い違っているという事実だけを
自分のせいでも相手のせいでもないと
そのまま受け入れ、
何がどのようにどれぐらい食い違ったか
丁寧に確認していくことが、
本来のコミュニケーションだったのだ。(1996.1.18)

※井上淳之典のつぶやき考現学 No.18

COMMENT:

こんにちではインターネットが発達しただけでなく、

多くの人がパソコンやスマホを手にできるため、
blog、SNSなど、自分の意見や考えなどを

日常的にすぐ言葉にして表現し、

発信することができるようになりました。

 

しかし、だれもが便利に手軽に発信できるだけでなく、

即時性や匿名性も高くなったため、

その一方では罵詈雑言、誹謗中傷が飛び交うような

暴言空間から自殺者まで生んでしまう

大きな社会問題ともなっていますが、

表面的に利便性が増しているように見えて、

その裏側では人と人との分断が

進んでしまっていることの現れかもしれません。

 

たとえば、SNSの場合でいうと、

発信された言葉が届くのは

フォローされている人に限られていますし、

しかも、流動性が高いので、すべてのフォロワーが

すべての投稿記事に対して、

すぐ目を通しているわけではありませんし、

読まれるタイミングもまちまちで、

確実に情報が届くという保証もありません。

 

一方blogの場合、誰でも手軽に開設できるだけでなく

情報をストックしたり、検索したりする機能も

優れていますが、その前提として、

世の中全体に多くの情報が溢れ返っているので、

blogにただ記事を書くだけでは、

それをたとえ毎日コツコツ続けていたとしても、

誰にも読まれないこともあり得るでしょう。
 

さて、この詞についてです。

 

26年も前に書いた詞なので、

いまの自分を取り巻く環境と当時とは

だいぶ変わってきていますから、

これを読まれても、あまりピンと来ない方も

いらっしゃるかもしれません。

 

SNSにしてもblogにしても、

もし、そこに自分の伝えたいことを書いたのなら、

その言葉を伝えたいとおもう人に、

「あの記事、読んでどうだった?」と

聞いてみることから、

コミュニケーションが始められるのかも

なんてことを、

久しぶりに読み返してみておもった次第です。

 

テクノロジーの進化によって、
やりとりする媒体や表現方法が形を変えても、

人間のコミュニケーションの底辺部分については

それほど大きくは変化していないと

言えるのかもしれません。

 

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