ブレイディみかこ『人間の本質とは変わるということ』(今日の名言・その39)
2022/10/03
人間の本質についてわたしが
※ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトでちょっとブルー2』より
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先週「今日の名言」でご紹介した
平田オリザ『ディベートとダイアローグのちがいは?』
(今日の名言・その38)
の終わりでご紹介したオリザさんの新刊書
『ともに生きるための演劇』 を読んでいたら、
第4章に「シンパシーとエンパシー」
という言葉がありました。
実はこの「シンパシーとエンパシー」という言葉は、
9/29に投稿した
違う価値観に接して視野が広がる喜び でご紹介した
信岡良亮さんのblog記事
対話、めんどくさくね? でもその先には、
違う世界観に接して視野が広がる喜びがあるのかも。
#学習するコミュニティに夢を見て
にも登場しています。
そこから前述したオリザさんの名言
ディベート(討議)とダイアローグ(対話)に
つながるという流れがもともとあったんですが、
この「エンパシー」という言葉から、
ブレイディみかこさんをおもいだしたのでした。
というのは、わたしの欲しい本リストに入っていても、
未入手でまだ読んでいない本なんですが。
みかこさんには、
2021年6月に出版された
という著書があるからです。
さて、前置きがタイヘン長くなってしまいましたが、
冒頭に挙げた言葉についてのコメントを。
教室で塾生たちと対話する日々を送っているお陰で
わたし自身も毎日毎日が気づきと変化の連続で、
その一端についてはこのblogにも
いくらか表現できているかもしれません。
コツコツやることや臨機応変に対応することが
苦手なわたしでしたから、
28年前の自分を基準にすればもちろん大変化ですが、
7年前に中村教室を開く前の自分からしてみても、
まったく想像できなかったくらいの大きな変化が
この7年間には訪れていて、
とくにコロナ禍が始まって以後の
この2年半の変化は著しかったようにおもいます。
その一方で、自分を変えようとしても
おもうように変わらず、
ジレンマを感じることもときにはありました。
でも、そもそもその変えようとする姿勢自体に
無理があったことも少なくなく、
米光一成「自分について考えるためには他を観察せよ」
(今日の名言・その27) に書いたように、
自分を見ている自分の目それ自体が歪んでいることに
自分で気づいていなかったりもします。
つぶやき考現学
あるがままに生きる(つぶやき考現学 No.97)
に書いたんですが、
そもそもわたしたちが「変わる」ことができるのは、
前提として「変わらない」ものがあるからなんですね。
「三つ子の魂百まで」ということわざもありますが、
人間みなどこかに「変わらない」ものを
持っているからこそ、
「変わった」と自覚できるのでしょうから。
「変わること」が人間の本質だというのは、
生きている限り、その通りだとおもいますが、
変化することばかりに意識を向けるのでなく、
自分にとって本当に大切な「変わらない」モノを、
見失わないようにしたいものです。