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ナイチンゲール「経験をもたらすのは観察だけ」(今日の名言・その59)

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ナイチンゲール「経験をもたらすのは観察だけ」(今日の名言・その59)

ナイチンゲール「経験をもたらすのは観察だけ」(今日の名言・その59)

2023/05/06

 

 経験をもたらすのは観察だけなのである。
 観察をしない女性が、
 50年あるいは60年
 病人のそばで過ごしたとしても、
 決して賢い人間にはならないであろう。

 

ナイチンゲール『看護覚え書』より
※写真はこちらのページより拝借しました

 

 

フローレンス・ナイチンゲールは、

1820年に生まれ1910年に亡くなった

イギリス人の看護師で、

近代看護教育の母と称された著名な人物です。

 

ナイチンゲールの伝記は、今でもなお

多くの小学校の国語の教科書に

載っているようなので、

たぶん、日本人であれば、

ナイチンゲールという名前を

知らない人の方が少ないんじゃないでしょうか。

 

一昨日書いた郵便の父・前島密の記事で、

アメリカのペリーが浦賀に来航したときに

前島は黒船を見て驚き、

医師を志すことを止めた話を書きました。

 

ロシアとウクライナとの間にあって、

今も紛争の火種となっている地域に、

クリミア半島がありますが、

そこで激しい戦争が起きたのは、

日本に黒船がやってきたのと同じ

1853年のことだったのです。

 

1856年まで続いたそのクリミア戦争で

看護師として活躍し、

「クリミアの天使」と人々から讃えられたのが

ナイチンゲールでした。

 

さて、ナイチンゲールは、他の看護師と

どんなところが違っていたのでしょう。

 

他の看護婦が寝静まっても1人で病室を見回り、

病人を常に献身的に支えたというエピソードは

よく知られていますが、

彼女はまず衛生面を整え、統計学を駆使し

死亡原因などをデータで分析し、

素早く最善の判断ができる環境整備を行いました。

 

病院内で40%をこえていた死亡率を

5%にまで下げた業績などが高く評価され

1858年にはイギリス王立統計学会で

初の女性会員となったほどです。

 

観察した結果をデータ化したものが

統計であるわけですから、

冒頭に挙げた観察力についての言葉は、

統計に強い彼女ならではのものと

言ってよいでしょう。

 

この観察力の重要さについては、

どれだけ強調しても足りず、

このblogでは何度も繰り返し書いていますので、

ピンと来ない方は、

ぜひタグ「観察力」の記事をご覧ください。

 

また、ナイチンゲールは一方で、

「看護師を天職とするわたしたちにとっては、

 観察力が必要不可欠である。

 なぜなら、正確な観察力さえ身につけていれば

 有能な看護師であるということにはならないが、

 これを抜きにしては、

 どんなに献身的であろうと

 看護師の役目は果たしえないから。」

と書いています。

 

つまり、「観察力が大事」という話は、

すべての物事の土台、基本という意味を含んでいて、

けっして「観察さえしていればいい」という

意味ではないということも、

あわせて理解する必要があると感じました。

 

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