寺子屋塾

(承前)前提を常に問い続け自覚するということ

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(承前)前提を常に問い続け自覚するということ

(承前)前提を常に問い続け自覚するということ

2024/12/03

昨日12/2投稿した記事の続きを。

 

塾生の板倉くんが書いていた、

らくだメソッド中2教材全体のふりかえり記事を

紹介したんですが、

彼が書いていた内容に対しての

わたし自身のコメントを記してみます。

 

中学校3年間の数学では、

さまざまな単元を学習しますが、

中2で学習する「一次関数」は、

最も重要な単元のひとつと言ってよいでしょう。

 

記事の最後の方で板倉くんが、

次のように書いていました。

 

らくだプリントにおいては

世界が拡張されたのは数だけでなく

「わかる」という概念についても

いえるのかもしれません。

 

数学という習う内容そのものだけであれば

数の世界のみかもしれませんが、

僕としてももっと広義に

考えることができるようになったことで

「わかる」も1つの世界であると

気づけたのだと思います。

 

そもそも「学習する」という言葉は、

何かが「わかる」ようになることや

何かが「できる」ようになることを指して

使われることが少なくありません。

 

でも、そもそもこの「わかる」ということ自体が

いったいどういうことなのかとなると、

なかなか「わかりにくい」話なんですね。笑

 

板倉くんは、らくだプリントで

「わかる」という概念が拡張されたと

書いていましたが、

マイケル・ポランニーの言うとおり、

そもそも数学という学問自体が

理解、つまり「わかる」の拡張なんですね。

マイケル・ポランニー「科学は観察の拡張」(今日の名言・その26)

マイケル・ポランニー『暗黙知の次元 言語から非言語へ』

 

わたし自身もらくだメソッドの

中2−35の教材を取り上げて、

中学の数学では、

結局のところ何を学習しているのかという

大きなテーマの記事を書いたことがありました。

中学数学のテーマは「世界の拡張」

 

でも、前記したとおり、

「わかる」というような、

わたしたちがふだんアタリマエのように

頻繁に使っている言葉ほど、

そのことをきちんと考えようとすることは

なかなか易しくありません。

 

マイケル・ポランニーの業績も

それほど広く知られたものではありませんし、

中学数学のテーマについて書いた前記の記事でも

書きたい内容が十分に展開できたとは

おもえなかったこともあり、

そもそも「わかる」とはどういうことかをテーマに

8回にわたる連投記事を書いたこともありました。

 

板倉くんが書いていたふりかえり文は、

らくだメソッドで学習している

寺子屋塾生の皆さんならまだしも、

体験のない皆さんにとっては、

わかりにくいところも

少なくなかったようにおもうので、

次の記事を未読の方はご覧ください。

そもそも〝わかる〟とはどういうことか?(その1)
そもそも〝わかる〟とはどういうことか?(その2)
そもそも〝わかる〟とはどういうことか?(その3)
そもそも〝わかる〟とはどういうことか?(その4)
そもそも〝わかる〟とはどういうことか?(その5)
そもそも〝わかる〟とはどういうことか?(その6)
そもそも〝わかる〟とはどういうことか?(その7)
そもそも〝わかる〟とはどういうことか?(その8・最終回)

 

らくだメソッドは、

「わかる」よりも「できる」を

重視した教材であることから、

「わかる」と「できる」の関係については、

このブログでも繰り返し書いているテーマです。

 

わたしが寺子屋塾を始めてからの

この30年間をふりかえってみても、

こうしたあたりまえのように

「前提」となってしまっていることを常に問い続け、

そのことにどこまで

自覚的になれるかということへの

チャレンジだったようにおもいます。

 

今年もいよいよ最終の12月師走を迎え、

30年間を総括するふりかえりを

このタイミングで書いておかないと、

次なるステップには

スムーズに進めないということを

板倉くんのふりかえり文を読みながら

改めて感じました。

 

 

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