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大人ってどんな人のこと?(その2)

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大人ってどんな人のこと?(その2)

大人ってどんな人のこと?(その2)

2024/02/11

昨日投稿した記事の続きです。

 

皆さんは、子どもと大人の違いを

どのように意識していますか?

 

そもそも大人って、

どんな人のことを言うのでしょうか?

 

簡単に結論が出ることではないんですが、

大人への通過儀礼(イニシエーション)が

形骸化している今日において、

自分で決めて自分でやるセルフラーニング方式の

らくだメソッドの学習は

その役割をはたしているかもしれないと

らくだメソッド開発者である平井雷太さんが

書かれた文章を入口にしながら

大人とはどんな人のことをいうのかを

考察しています。

 

昨日は、記事の最後で、

2023年12月に投稿した、

教えない性教育シリーズの連投記事でも

紹介したことのある

橋本治さんの『ぼくらのSEX』第15章の

冒頭部分を引用して紹介しました。

 

言葉をすこしカットして文の骨格が分かる形で

もう一度引用してみます。

 

(引用ここから)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
今の時代には、思春期が長い。

 

「体の変化」ということの中に隠されている意味を

うっかりと見過ごしてしまったら、

それと一緒に起こるはずの「心の変化」が

わからなくなってしまう。

だから、「自分の思春期」に出会えない人は

いっぱいいるということにもなる。

 

「体の思春期」が終わっても

「心の思春期」が終わらなければ、

その人はいつまでも

思春期の中にいる

ということになってしまうでしょう。

人間というものは、

こどもの時代が終わる頃に〝自分〟と出会う。

 

その思春期の時期に出会った

〝自分〟をもとにして大人になる。

 

思春期の時期に〝自分〟と出会えなかったら、

根拠のない、平気でぐらついているだけの、

頼りない大人になってしまう。

 

体だけ大人になってもしかたがないし、

心だけ大人になってもしかたがない。

 

どっちもそろって大人にならなければ、

「ちゃんとした大人」とは言えない。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

(引用ここまで)

 

さて、「ちゃんとした大人」って

いったい、どういう人を言うんでしょうか?

 

この本は、橋本治さんが、

21世紀を力強く生きたいと願う

思春期の子どもや青少年たちに向けて

恋愛や友情、SEXについて考えてほしくて

書き下ろした本なんですが、

あまりピンと来ない人は、

繰り返し繰り返し読んだ方がいいかもしれません。

 

また、

「体の変化」ということの中に隠されている意味

というフレーズもありましたが、

この引用した箇所が

この本の第15章ということは、

その、「隠されている意味」ということに絡んで、

この本はナント14章125ページも

割いているわけなんですが。

 

そして、ちょうどこの引用した部分のあとから、

他の性教育本には書かれていない

ハイライトのひとつとわたしが勝手におもっている、

源氏物語の話が始まるんですが、

主人公の光源氏が、

自分というものを捕まえられなかった人の例として

紹介されているんですね。

 

NHK大河ドラマでも

紫式部の話が始まったようですし、

気になる人は、ぜひこの本を読んでみてください。

 

この本については、

「〝教えない〟性教育」考(その7)

に詳しくコメントしたように、

わたしがこの本を読んだときは33歳のときで、

恋愛やSEXについても

それなりに体験を重ねた後でした。

 

それでも、書かれている内容のひとつひとつは

驚愕のきめ細かさで、

自分は子どもだったな〜っておもいましたし、

「大人になるってどういうことなのか?」

という問いも含め、

自分のなかにあるモヤモヤのほとんどが

解消されスッキリしたんですね。

 

 

さて、それで今日は、

1/28に投稿した記事でまえがきをご紹介した

まついなつきさんの『恋する女はみんなバカ』より

そもそも〝大人〟とはどんな人のことなのか、

大人の定義について触れている

LESSON21家は文化1 をご紹介!

 

1/28の記事を未読の方は、順序としては

そちらを先に読まれた方がいいとおもいます。

 

(引用ここから・太字は井上)
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前章で家の問題抜きにして、

恋愛の不思議については、説明できない!

ということに、ふと気がついた私です。

そこに結婚がからむなら尚更です。


なんちゅうかねえ、かたいこといえば

ちゃんと恋をしたい!というのは、

ちゃんとした人間関係を築きたいということだから、

それはやっぱ「大人」にならんといかん!

いうことなわけですよ。

 

こんなこといっちゃうとミもフタもないですが、

「子ども」がする恋愛なんて、

失敗して当然なわけです。

 

その失敗をいかに楽しみ、自分の身のこやしとして

大人になっていくのか、

これがほとんど全ての

「恋愛問題」のキモというわけです。

 

で「恋愛問題」がなぜ

「家の問題」になるかというと、

「家」というところは、

子どもを大人にしないところだからです。

 

特に男の人は「家」にいる限り男の子のまま

大人にならなくても許されてきました。

 

「家」には家長である父親が存在しているし、

「社会」には上司がいるので、

男の子が大人になるきっかけというのは、

「家」というシステムが存続する限り

永遠に失われたままだったのですね。

 

ここで「大人」の定義とは何かということを

はっきりさせておきましょう。


大人とはようするに

「自分のことを自分で処理できる人間」です。

仕事というものは、

そういう自分になるための訓練だったりします。


家事もそうです。

自分ひとりが生きていくために必要な生活費を

確実に稼いだり、

自分がはくパンツを自分で洗うしかなかったり

という積み重ねが

「自分の処理が自分で可能な人間」を

育てていきます。


「自分のことを自分で考えることができる人間」は

「他人のことも自分の身に置き換えて

考えられる人間」に育ちます。

 

結局は、それが「大人」だということです。

 

いくら働いてお金を稼ぐことができて、

自分の身のまわりの家事が完璧にできても、

人のことを考えて行動できなければ、

それは「大人」とはいえません。


自分で稼ぐのがめんどうくさいから、

収入のよさげな男と結婚して養ってもらおうとか、

家事をやる辛さから逃れるために、

料理上手できれい好きな女と結婚しようというのは

「大人」の行為ではありません。

 

世の中で一番くだらない夫婦ゲンカは

「なら、おまえ働け」と

「もう、あんたのパンツ洗うのはうんざりだわ」の

いいあいでありましょう。


「大人」修行が行き過ぎて、

自分である程度稼げるし、

ひとりでやっていく分には

家事もこの程度でいいか、ということで

独身のまま結婚にふみきらない人も、

最近は大勢います。

 

それはそれで、全然問題ありません。


結婚なんかでうっとうしい「家」を作るのは

やめた方がいいのかもしれませんね。

 

家を必要としているのは

「大人」ではなく「子ども」です。

「子ども」は働くことも家事も不自由なので、

労働賃金と家事が存在している

「家」というシステムに寄生しています。

 

思春期を迎え「いつまでも子どもじゃないんだ!

(だから自分の好きにさせてくれ)」という

セリフが吐かれるのは、

もう大人になる準備をしたいということなので、

そうなったら頃合いを見計らって

さっさと「家」から追い出す

準備をしなくてはなりません。

 

最低身のまわりのことができるように家事を仕込み、

バイトをさせて家出の資金を稼がせるのです。

 

しかし、たいがいの「家」は

あまりこのような準備をさせません。

 

できるだけ「家」から出さないようにするのが

おおかたの傾向です。


いついつまでも、こづかいを与え、

食事を調えてやり、「大人」になる練習問題を

積み重ねるのを阻止すれば、

子どもは、大人にはなりません。

 

頭と体が健康な子なら、

どこかで歪んで爆発するでしょう。

 

人が大人になるという成長ホルモンを

甘くみてはいけません。


びしびし働かせても「家」から出ることを許されず、

賃金稼ぎ家事労働の担い手の頭数に

入れられることもあります。

 

これが「老後のめんどうよろしく」

というシステムで、

一度出してしまって呼び戻す手間よりも、

最初から「ここにいいお嫁(婿)さんがくればよい」

といって子どもを「家」から

出さなかったりします。

 

「家」のシステムを存続させておかないと、

自分が年老いて稼がなくなったり、

足腰弱って家事労働が困難になった時

困るからですね。

 

つまり「老人」にも「家」というシステムが

必要なわけです。

 

しかし、まっとうな社会は

「大人」だけで構成するのは不可能です。

 

何故なら「人の身になって考える」という

「大人」になるための学習として、

子どもと老人の存在くらい

役に立つことはないからです。


人間の一生が子ども→成人→老人と変化する

というのは、

生きていく上で最初に与えられた

崩せない設定なので、

これらが混合で社会を営むという、

必要悪として「家」は存在していると考えれば

話はスッキリします。


悪なんだから、期待したり寄り掛かっていちゃ

だめなんですよ。

 

もうこれは、本当にこういうもんだから、

仕方ないか、とつきあっていく

類いのものなんですよね、「家」ってやつは。


ちょっと恋愛の話から、

それてしまった感じもしますが、

それはそれでここのあたりがクリアになれば、

本当いろいろはっきりして

楽になると思うんですよね

 

まついなつき『恋する女はみんなバカ』

 LESSON21 家は文化1

※冒頭の画像は

 まついなつきさんの『かるめら丼』の表紙より

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(引用ここまで)

 

この続きはまた明日に

 

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●2021.9.1~2023.12.31記事タイトル一覧は

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