寺子屋塾

ニーチェ「自分を知ることから始めよう」(今日の名言・その81)

お問い合わせはこちら

ニーチェ「自分を知ることから始めよう」(今日の名言・その81)

ニーチェ「自分を知ることから始めよう」(今日の名言・その81)

2024/08/02

 

 自分を知ることから始めよう。

 

 自分についてごまかしたり、

 自分に嘘をついたりして

 やりすごすべきではない。

 

 自分に対してはいつも誠実であり、

 自分がいったいどういう人間なのか、

 どういう心の癖があり、

 どういう考え方や反応をするのか、

 よく知っておくべきだ。

 

 なぜならば、自分をよく知っていないと、

 愛を愛として感じられなくなってしまうからだ。

 

 愛するために、愛されるために、

 まずは自分を知ることから始めるのだ。

 

 自分さえも知らずして、

 相手を知ることなどできないのだから。

 

※ニーチェ『曙光』より(訳:白取春彦)

 

 

 

この言葉は180万部を超えるベストセラー

『超訳・ニーチェの言葉』から引用しました。

 

フリードリッヒ・ニーチェは、

1844年にドイツ・プロイセン王国で生まれ

1900年に亡くなった古典文献学者、思想家です。

 

 

さて、「自分を知る」って

いったいどういうことでしょうか?

 

「あなたは、自分を知っていますか?」と

もし、人から問われたら、何と答えますか?

 

自分という人間はとても身近なので、

たぶん、「知らない」と答える人は少ないでしょう。

 

でも、「灯台もと暗し」という

ことわざがあるように、

自分で自分自身の眼を

じかに見ることはできないように、

身近であることは、

「よく知っている」ことの証明にはなりません。

 

両者の関係性によって、互いの姿が

立ち現れてくるものとすれば、むしろ逆で、

関係が近くなればなるほど

相手の姿はよくわからなくなってくるものだと

言っても過言ではないでしょう。

 

人間関係でよくある勘違い、おもいちがいなんですが、

「距離が近いこと」をそのまま

「親しいこと」と錯覚してしまうことも、

少なくないんじゃないでしょうか。

 

「恋は盲目」なんてことわざもありますよね。

 

このことわざは、距離が近づくことによって、

よく見えるようになるどころか、

親しくなるどころか、

互いに相手の本当の姿は

却って見えにくくなってしまうってことが

言いたいのでしょう。

 

しかも、本人同士がそのことに

気がついていないこともすくなくないので、

ほんとうに、相手のことを

よく知ろうとするなら、離見の見、

つまり、適切な距離感を保とうと努める姿勢が

何よりも大切なことだったりします。

 

生きることは、常に変化し続けることだという

考え方を前提として、

いま、ここに照準を合わせれば、

「昨日の自分」と「今日の自分」は、

同じであるはずがないし、

そして、「昨日の相手」と「今日の相手」も、

同じはずがないのですから。

 

 

当塾では、セルフラーニングという学習法を

採用しているので、

「自分について知る」という言い回しを、

よく使っているんですが、これは

とても誤解されやすい言葉でもあって、実は

自分という人間は、

自分にとって一番身近であるが故に、

その自分自身が一番わかっていないし、

自分という人間を知ることは、

永遠にできないという考え方が

その前提にあるわけです。

 

したがって、「自分を知る」ということは、

自分という人間についての知識や情報を

たし算発想で増やして行くことが

大事ですよっていう話ではありません。

 

つまり、必要なのはむしろその逆で、

ひき算発想というか、

わかったつもりになっている自己像から

自由になって、

自分を観察し続けることができるかなので。

 

 

たとえば、先月12回にわたって投稿した

平野啓一郎さんの「分人」についての記事では、

最終回に響月ケシーさんの

YouTube動画「自分とは?」を紹介したんですが、

ケシーさんは

文学的な理解で自分を分析しないで!って

言われてましたね。

 

「自分を知る」ということは、

過去の体験から形づくられてきた

「自分はこうだ!」という

おもいこみや決めつけを棄てて

自分を常に観察し続けるって意味なんです。

 

ケシーさんは、

YouTube動画『現実創造の掟』③

「自らの見張り役になる」っていう言葉も

言われていましたね。

 

また、先月末に6回にわたって投稿した

らくだメソッド算数教材の

分数の約分単元を取り上げた連投記事でも、

(その3)に次のように書きました。

 

勉強ができない人というのは、

本当は、できないのではなく、

やっていなかっただけ、

やろうとしていないだけなんですが、

「勉強ができない」と

自分でおもいこんでいるだけの人

何から勉強したらいいかが

わからない人 であると。

 

自分の課題を知らない人、

自分の課題を

自分で見ようとしていない人 であると。

 

よって、わかったつもりになっている

自分についての知識、情報、イメージ等を

一旦リセットして、

自己認識のしくみやあり方そのものを

考え直してみませんか? と。

 

わたしは、このニーチェの言葉を

「何から始めたらいいですか?」

という問いに対するひとつの提案として、

こんなふうに受け止めたんですが、

あなたは、このニーチェの言葉を読んで、

どんなことをおもいましたか?

 

 

【最近投稿した「今日の名言」シリーズ】

土光敏夫「行動となって現れない思考は無用であり有害でさえある」(今日の名言・その80)

ユング「易は自ら問いを発する人に対してのみ己自身を開示する」(今日の名言・その79)

安部公房『砂の女』より(今日の名言・その78)

荘子『内篇』より「胡蝶の夢」(今日の名言・その77)

栗本慎一郎「ユニークであろうとすればユニークにはなれない」(今日の名言・その76)

道元禅師『正法眼蔵』現成公按より(今日の名言・その75)

岡田謙三「弱くてはいけない。強くてもいけない。」(今日の名言・その74)

篠田桃紅『これでおしまい』より(今日の名言・その73)

銀色夏生『詩集 エイプリル』より(今日の名言・その72)

ドビュッシー『ピアノのための12の練習曲』序文(今日の名言・その71)

ファラデー『ロウソクの科学』より(今日の名言・その70)

為末大「自分を認められるのは自分しかいません」(今日の名言・その69)

J.クリシュナムルティ「あなたは世界であり、世界はあなたである」(今日の名言・その68)

森下典子『日日是好日 「お茶」が教えてくれた15の幸せ』より(今日の名言・その67)
ハンナ・アーレント「世界最大の悪は、ごく平凡な人間が行う悪です」(今日の名言・その66)
TVドラマ鈴木先生「体験は人間性を磨く上での貴重な教材だ。」(今日の名言・その65)
ベートーヴェン「つねに行為の動機のみを重んじて帰着する結果を想うな」(今日の名言・その64)
スヌーピー「配られたカードで勝負するしかないのさ」(今日の名言・その63)
映画『シェルタリング・スカイ』より「満月が昇る姿をあと幾度見るだろう?」(今日の名言・その62)
映画『マトリックス』より「これは最後のチャンスだ!青い薬を飲むか、赤い薬を飲むか?」(今日の名言・その61)

 ※(その61)の最後にその60以前の記事一覧を載せています

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

●2021.9.1~2023.12.31記事タイトル一覧は

 こちらの記事(旧ブログ)からどうぞ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

★中村教室のお盆休み 8/13(火)〜16(金)★

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
☆寺子屋塾に関連するイベントのご案内☆

 8/18(日) 第26回易経初級講座

 8/24(土) 未来デザイン考程ワンデイセミナー

 8/25(日) 映画VOP予告編⑦上映会

 9/29(日) 第27回 経営ゲーム塾B

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

◎らくだメソッド無料体験学習(1週間)

 詳細についてはこちらの記事をどうぞ!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

当店でご利用いただける電子決済のご案内

下記よりお選びいただけます。