坂本龍一『/05』(今日の音楽・その17)
2025/01/17
●寺子屋塾ブログ1/17・連続投稿1235日目
今日の音楽その17は、
1952年に東京都中野区で生まれ
2023年に71歳で亡くなった、
世界的なミュージシャンとして、また
編曲家、ピアニスト、プロデューサー、
俳優など幅広い分野で活躍された坂本龍一さん。
本日1月17日は
教授の誕生日であることにちなみ、
2005年にリリースされた、
YMO時代の楽曲から近作までをピアノアレンジし
教授自身が弾いているアルバム『/05』から、
「Happy End」「千のナイフ」
「Reversing」などを。
1978年に発表されたファーストソロアルバム
『千のナイフ』以来、半世紀近くにわたって
彼の音楽をずっと聴き続けていることもあって、
その中からアルバムを1枚だけ
セレクトするのは易しくないのですが、
最終的にピアノのアルバムに。
この寺子屋塾ブログでは
たびたび坂本さんのことを書いていて、
一昨年の春に亡くなったときには、
追悼記事を10回にわたって投稿しました。
その追悼記事のうちでも
東京都現代美術館で開催中の
個展『音を視る、時を聴く』の影響なのか、
ハッキリした理由はよくわかりませんが、
昨年の暮れあたりからアクセスが急に増えています。
1978年というと彼がYMOや
映画「戦場のメリークリスマス」で
大ブレイクする前、
無名のスタジオミュージシャンだった頃、
そんなマイナーな
このアルバムに関心を持ったのは、
「グラスホッパーズ」という曲のピアノ演奏で
高橋悠治さんが参加されていたからでした。
わずか40分足らずのこのアルバムの制作には、
のべ339時間もの膨大な時間が費やされたと
言われています。
1978年頃は、一応デジタル・シンセサイザーが
実用化されてはいたものの、当時は大がかりな装置で、
とても高額であるばかりか、誰もが簡単に
操作できるようなものではありませんでした。
当時はサウンドサンプラー、ヴォコーダーなども
まだ実験段階にあった頃で、
たとえば「千のナイフ」の冒頭で、毛沢東の詩を
シンセサイザーに朗読させているんですが、
気が遠くなるような細かい操作と根気が必要で、
彼の発想がいかに斬新で
先駆的なものだったかが分かりますね。
記事の最後に坂本さん関連の記事を
まとめておきますので、
未読記事がある方はこの機会にどうぞ!
【オススメYouTube音源】
・Thousand Knives (Piano Version)
https://www.youtube.com/watch?v=sS3oRq7a93I
・Happy End
https://www.youtube.com/watch?v=0zpelFDnf_Q
・Reversing
https://www.youtube.com/watch?v=IIrP6oiRrXE
・Tibetan Dance
https://www.youtube.com/watch?v=QGID-eCoDSs
・Thousand Knives(フルアルバム・1978年)
https://www.youtube.com/watch?v=rGo7n6CMCcE
【坂本龍一関連で過去に投稿した記事】
・17才の私はずっとそこにいる(薬師丸さんの誕生日に寄せて)
・『クロードのいる風景』谷川俊太郎(坂本龍一・追悼)
・ポップス音楽の現場から
・『YMO写真集 OMIYAGE』 より坂本さんへのインタビュー
・高橋悠治 「坂本龍一ときみがすれちがったメビウス空間の裏側に何があったか」
・ファーストアルバム 『千のナイフ』 のこと
・ブレヒト『真実を書く際の5つの困難』より(今日の名言・その60)
・映画『シェルタリング・スカイ』より「満月が昇る姿をあと幾度見るだろう?」(今日の名言・その62)
・9/24都内某所にOPENする「坂本図書」構想や新刊本のこと