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読む力を身につけるにはどうしたらいいですか?(その3・最終回)

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読む力を身につけるにはどうしたらいいですか?(その3・最終回)

読む力を身につけるにはどうしたらいいですか?(その3・最終回)

2024/03/05

一昨日3/3に投稿した記事の続きで、塾生から

「読む力を身につけるのにどうしたらいいですか?」

と問われたときに話した内容を

他の人が読まれても何かを受け取って貰えるよう

一般化した形に再構築しながら書いてきました。

 

また、(その3)となっていますが、

(その1)の記事

3/2に投稿した記事

もともと知っているのなら、なぜわたしたちは本を読むのですか?

の続きとして書き始めたもので、

まず、「何を読むか」の前に、

何がその本を選ばせたのかという理由や、

どんな問いが自分の中にあるかを

意識することが大事って話を。

 

また、(その2)の記事では、

人間も情報処理マシンのひとつと考えたとき、

①入力 ②加考(工) ③出力という

3つのプロセスを

明確に分けられるかどうかがとっても大事です。

 

つまり、このことを意識し、自分のどのプロセスに

どんな課題があるかを自覚するという意味で

インタビューゲームが非常に有効であること。

 

そして、この3つのプロセスでは、

とくに最初の①入力がとりわけ重要なので、

そのステップで情報自体を歪めてしまったり、

受け取れる情報量自体が

少なくなってしまったりするのは

なぜかって話を書きました。

 

このテーマの記事も

これで3回目になりますから、

そろそろひと区切りにしたいとおもっているんですが

未読記事がある方は、それを先に読まれてから

以下に記す本日分の記事を

読んで戴ければ幸いです。<(_ _)>

 

 

さて、昨日その2の記事に書いたことは、

本当に重要なので

ここでももう一度繰り返しておくんですが、

①入力 ②加考(工) ③出力 のプロセスを

分けて意識するというのは、

ホント重要!です。

 

そして、この3つのうちで、

なぜ①の入力がとりわけ重要なのか、

その理由はわかりますか?

 

結局、最初の①入力の段階でハンディがあると、

②や③をいくら鍛えたところで、

あまり意味がないというか、

その効果がかなり薄くなってしまうんですね。

 

そして、このことを一般化するなら、

物事において順序、順番を意識するって

とっても大事ってことが言えるでしょう。

 

まず、何から始めればいいかってことです。

 

でも、現実の世界を見渡すと、

それを考えることなく

とにかく手当たり次第、闇雲にやってる人とか、

人から一方的に教えられるままにやってる人とか、

まず①の入力をおろそかにして、

②や③ばかりを一所懸命に頑張ってる人って

ホント少なくないんですよ〜

 

 

人間もまた情報処理マシンのひとつって話は、

観察力ということや、

大和信春さんの「内拠」という考え方とともに

以前にも次の記事に詳しく書いたので、

確認しておいてほしいんですが、

「ジャッジメントを止める」とは観察し続けること

 

 

つまり、情報入力のプロセスっていうのはとにかく、

考えたり、判断したり、行動したりする前段にあって、

とにかく一番最初の段階ですから、

そこに歪みがあったり、

受け取れる情報の物理的な量自体に

ハンディがあったりすると、

人間関係面、仕事面、金銭面、

メンタルヘルス面等において、

何かとトラブルが生じやすい傾向があるってことは

言えるんじゃないかなっておもいます。

 

だから、①の入力プロセスを鍛えることは

学習においてとりわけ優先順位の高い課題

言っていいでしょうし、

なぜ、わたしが常々

「質問力、観察力が大事!」って話しているのか、

なぜインタビューゲームを何度も繰り返して

定期的にやり続けているのか、

寺子屋塾の基本教材として、なぜ

わたしがらくだメソッドを採用しているのかって

いう話にもつながっているんですね。

 

 

たとえば、つぎの映像は、

らくだメソッド小学4年22番のプリントで、

分数単元の最初のプリントなんですが、

説明文がほとんど書いていないんですね。

 

らくだメソッドの大きな特徴のひとつが、

こういうふうにコトバで説明している箇所が

ほとんどないことなんです。

 

つまり、らくだメソッドは、「なぜこの問題が

この場所にあるんだろう?」とか、

「どうしてこの順番で問題が並んでるんだろう?」

とか、学習する人に

さまざまな問いが浮かぶように設計されていて、

日々そうしたプリントに触れ続けることで、

結果的に、聞く力や観察力が鍛えられるような

つくりになっているんですね。

 

 

さて、

「読む力を身につけるのにどうしたらいいですか?」

っていう質問でした。

 

でも、「読む力」だけ鍛えても限界があって、

そもそも「本を読む」って

どういうことなのか、

前で紹介した画像のように、

人間を情報処理マシンのひとつというふうに

大きなところから捉えた上で、

そうした一連の情報処理プロセスの

ひとつとして位置づけられるかどうか

とっても大事なんですよ。

 

たとえば、「コミュニケーション力」っていう

コトバもありますよね?

 

たぶん皆さん、「国語力」ってコトバも

聞いたことがあるとおもいます。

 

でも、「コミュニケーション力」を

身につけようとか

「国語力」「読む力」を鍛えようとか、

抽象的に考え、一般化して言ったところで、

結局その課題は個別に違って一律でないから、

どうしたらいいかという答を

外側に探そうとしたところで、

そんな正解はどこにも見つからないんですね〜。

 

だから、そのコトバで表現している中味が

あまりにも大雑把すぎて、

「コミュニケーション力」を身につけようなんて

いくら考えたところで、

それだけでは課題解決に向かって行かないから、

結局、何も言っていないのと同じなんですよ。

 

以前、「感情をコントロールするには

どうしたらいいか?」と塾生から問われたときに

わたしが話したことをもとに

記事に書いたことがあるんですが、

内容的につながる話なので読んでみて下さい。

感情をコントロールするコツは?

 

 

結局、そのためにも、

そもそも読む力ってどういうこと?

コミュニケーションってどういうこと?

っていう前提や本質について考え、

その仕組み自体を把握することに努める姿勢や、

個別に違っている千差万別な課題を

どう自覚するか

そして、その課題に対して、

各々が自分にあった具体的なやり方で

日常的にアプローチし続けるしくみを

いかにつくるかってことに

行き着くんですね。

 

何が大事か?何から先にやればいいか?って

学習の本質を考えて行くと、

個別に課題は異なるし、

それに相応しいやり方は

一人ひとりみな違うってことがわかってくるから、

そうなれば、現実に指導者が

一方的に教えられることなんてほとんどなくて、

教える教育には

とっても〝ムダ〟が多いってことが分かってくる。

 

だから、自分が学ぶべきことは何なのかを

自分自身で把握し、自分で決めて、自分でやる・・・

結局〝セルフラーニング〟の姿勢が

最も効果的ってことになってくるんですよ。

 

なぜ、寺子屋塾では「教えない教育」なのか、

なぜ、教えようにも教えられないのか、

個別に必要なことを、

各自で自分で決めてやることがなぜ大切なのか、

その理由はわかりましたか?

 

 

たとえば、わたし自身は、中学時代に

国数英理社の主要5教科のうち

国語が一番成績がよくなかったんですが、

文章を書くことについても、

人前で話すことについても

強い苦手意識がずっとありました。

 

「自分には国語力がない」って自覚は、

今でもあります。

 

でも、こちらの記事で書いたように、

「苦手意識」があるのは、自分の本心は

それができるようになりたいってことに

他ならないわけで。

 

だから、そのことに自分で気づくことができたら、

あとは、苦手意識があることを

自分がやらない理由にしないで、

苦手意識を克服しようとせず、

苦手意識をず〜っと持ったままでいいので、

書くことも、話すことも、

読むことも、聞くことも、

とにかく日々鍛錬し続けるだけなんですね。

 

 

たとえば、

響月ケシーさんの『現実創造の掟』の動画は、

全6本を通しで

もう30回ほど視聴しているんだけど、

こんなに何回もたくさ〜ん聞かないと

内容が理解できないなんて、

「ホント、自分ってバカだよな〜」って

つくづくおもうんですよ。

 

文字起こしの作業も、すこしずつ進めていて、

第2講座まで紹介しました。

響月ケシー『現実創造の掟①大前提編~すでに私たちは現実を創っている~』

響月ケシー『現実創造の掟②破壊的巨人編~脱・大衆戦略~』

 

文字起こしって、結構タイヘンな作業なんだけど、

自分は聞くだけでは

内容をちゃんと理解できていないって、

聞き逃している部分が必ずあるって

自覚があるからこそ、

そして、そのことで得られるメリットには

測り知れないものがあるんだって

自分で体験的にわかっているからやれるんです。

起業のポイント・その2「やりっ放しにせず総括し記録を残す」

 

100あることから、

100のことが受け取れるように、

自分の理解を確実なものにしたいから、

繰り返し繰り返し繰り返し、

何度も何度も何度も何度も何度も何度も聞いて、

実際に自分の手を使って

文字に起こしてみるっていう行動に移すことで、

すこしずつでも

自分の血肉にできるんじゃないかと。

 

「アタマで分かっていても実行出来ない」

という言葉はよく聞くんですが、

わたし自身は個人的には

自分で実行出来ていないことに対して、

「分かっている」という言葉を

使わないように努めてきました。

 

もちろん、あくまでわたし個人の定義であって、

他の人に強要するつもりはありません。

 

仮にどんなにその内容をアタマで分かっていても、

ただ知ってるだけじゃ何の意味もなくて、

自分でどれだけ実践、実行できているかどうかが

大切なんじゃないかとおもうまでです。

 

まあ、ケシーさんの今回の動画内容については、

わたし自身がずっと長い時間をかけて

これまで実践してきた内容に沿ったことを

ほぼほぼそのまま話しておられたので、

そのこと自体に、わたし自身もビックリしましたし、

結果的に、わたしは

自分自身のこれまでやってきたことを

答え合わせをするような感じで

確認しながら聞けたことにはなるんですが。

 

 

あと、わたしの個人的な体験なんですが、

わたしにとって、

これまで、読む力が一番鍛えられた体験は、

らくだメソッドの開発者・平井雷太さんが

毎日書いて発信されていた考現学を、

10年以上にわたって読み続けたことで、

いま、ふりかえってみると、

処理できる情報量が

格段に増えた感覚があるからです。

 

平井さんの考現学は、

月火木金と週4回FAXやメールで届くんですが、

その分量がハンパでなく、

多い日には、1回の考現学に1万文字以上の

文章が書かれているんですね。

 

 

でも、最大のポイントは、

読む力を育てるために

どうすればいいのかという風に

たし算発想で考えるのではなく、

自分の読む力が自然に育つことを

自分自身が妨げてしまっていることを自覚し、

それを止めることのほうが先だとおもうんです。

 

たし算ではなく、ひき算発想です。

 

新たに何をするかではなく、

無駄な事、しなくてもイイコトを止める・・・

 

あなたがあることを〝知らない〟のは、

けっして怠惰のせいではなく、

自分が本当は既に知っていることから

ずっと目を反らし続けているという

勤勉努力の結果だって話は

内田樹さんの『寝ながら学べる構造主義』の

まえがきとして書かれた文章を援用して

こちらの記事にも書きました。

 

こういう無駄な努力を止めることです。

 

 

それと、読む力を育てようと発想するのではなく、

結果として自ずと読む力が育ってしまうような

無理のないしくみを

日常生活のなかに具体的に組み込んで、

頑張らなくても自然に

やり続けられるように工夫するってことでしょう。

 

「頑張らなくても」ってところがポイントです。

 

 

たとえば、わたしの書いている

寺子屋塾ブログって、いつも文章が長いでしょう?

 

この記事も長いですよね〜

 

物理的に長い文章って、

読む人にとっては、とってもタイヘンなんだけど、

でも、タイヘンだからこそ、

それを読むことを日課にしてしまうことで、

結果的に「読む力」が培われるってことにも

つながるんです。

 

それに、書いている内容も、

もの凄く多岐にわたっているし、

読んですぐわかるような

簡単ことばかりじゃないでしょう?

 

でも、逆に言えば、簡単じゃないってことは、

読んでいれば、だれにでもすぐ

「問い」が浮かぶってことですよね?

 

だから、わたしのブログ記事を読み続ける、

読んだら、それに対して問いを書いてみるって

自分で決めて、実行すればいいんです。

 

教室に行ったときには、

必ずわたしに最低ひとつ質問するって

決めてやり続けることでしょう。

 

もちろん、1週間や1ヶ月やったぐらいでは

何も変わらないかもしれません。

 

ただ、そのときの気分で

やったりやらなかったりっていうのも

どうしても無駄が多くなってしまうので、

おそらく効果はなかなか上がらないでしょう。

 

でも、それを1年間、毎日続けたら、

読む力も、問いを立てる力も

多少は鍛えられるんじゃないかっておもいませんか?

 

そういうときに、

やってもいないのに、やる前から、

「自分は続けることができない!」とか

「わたしはコツコツやるのが苦手だ!」とか

おもってしまうのが人間なんですよ。

 

でも、結局それって、

他でもない自分自身で「できない」って

決めてるってことなんですね〜。

 

だから、もし、本気で自分の能力を伸ばしたいとか

枠を拡げたいと考えているのであれば、

それまでにやってきたこと、やれてきたこと、

やれていること、同じことをやってても

仕方ないっていうか、

過去の自分に縛られていちゃダメで、

それまでにやったことが無いような新しいこととか、

こんなことなんてできないかもって

おもうようなことを自分で決めて

やってみることが大事なわけなんです。

 

結局、人間っていうのは、「自分は〜ができない」

「わたしは〜が苦手だ」

という、自分のおもいこみの方が先だって、

考える必要のないことを考えてしまったり、

しなくてもいい余計なことばかりを

すぐにしてしまう

そういう生き物なんだってことを、

しっかり〝自覚〟することなんですね。

 

響月ケシーさんは、「自分の見張り役になる」って

表現されていましたが、

自分自身の見張り役としての〝セルフラーニング〟

自分の決めたことを、自分で実現するためには、

いまの自分がどんな状態かを

常に観察し続ける必要があって、

まわりの動向や自分の潜在意識に振り回されず、

自分のエネルギー状態に責任をもつ

という意味でも、

まず、取り組むべき最優先課題は

1日1枚のプリントなんですね〜

 

1日24時間あるうちで、

目の前にあるプリント1枚がやれない理由なんて、

ホントないので、

その事実を認めることが出発点でしょう。

 

これが「できる、できないを考えずにただやる」

「自分で決めて、自分でやる」ってことなんです。

 

 

【関連過去記事】

まず、ひとつのことから

どうしたら質問力を高めることができますか?

新しいことを学ぶ心得について(つぶやき考現学 No.98)

起業のポイント・その2「やりっ放しにせず総括し記録を残す」

17才の私はずっとそこにいる(薬師丸さんの誕生日に寄せて)

庄司薫『バクの飼い主めざして』のこと
情報洪水の時代をどう生きるか(その0)

情報洪水の時代をどう生きるか(その1)

情報洪水の時代をどう生きるか(その2)

情報洪水の時代をどう生きるか(その3)

情報洪水の時代をどう生きるか(その4)

情報洪水の時代をどう生きるか(その5)

情報洪水の時代をどう生きるか(その6)

情報洪水の時代をどう生きるか(その7)

情報洪水の時代をどう生きるか(その8)

情報洪水の時代をどう生きるか(参考本24)

 

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