陰と陽とは何か⑱「練習問題集〝クラックス〟(その3)」
2024/06/20
6/3からこの寺子屋塾ブログでは、
「陰と陽とは何か」というテーマで投稿していて、
本日6/20の記事で18回目となりました。
①〜⑤は陰と陽のベーシックな基本事項、
⑥〜⑩は八卦の基本事項、
⑪〜⑮は日常生活での応用というように
中テーマ的なまとまりはあるものの、
全体でひとつらなりの内容を書いています。
⑯からは陰と陽についての練習問題集
クラックスについて書いているんですが
③〜⑤、⑪〜⑮に書いた内容の応用編にあたり、
以下に未読記事がある方は
まずそちらから確認下さると有難いです。
・陰と陽とは何か⑥「八卦(その1)」(易経の十翼『説卦伝』)
・陰と陽とは何か⑩「八卦(その5)」(なぜ陰が六で陽が九?)
・陰と陽とは何か⑬「日常生活での応用(その3)仁王像の不思議」
・陰と陽とは何か⑭「日常生活での応用(その4)食べ物にみる陰陽」
・陰と陽とは何か⑮「日常生活での応用(その5)運勢、運命、使命」
一昨日投稿した⑯では、陰陽のモノサシが
どれだけ身に付いたかを確認するために、
マクロビオティック開祖・桜沢が考案した
〝クラックス〟と呼ばれる練習問題集のうち、
日本CI協会から出ている
桜沢如一『無双原理・易』(旧版)の巻末に
収められているものをまとめて紹介しています。
また、昨日投稿した⑰では、
⑯で紹介したクラックスのひとつ
・蜂の巣は何故六角か について、
ちょうどその問いに
アプローチしている箇所があったので、
具体的にクラックスにどのように答えればよいのか、
その回答のひとつのやり方を例示するつもりで
その部分を引用してご紹介しました。
わたしが桜沢の著作を読み始めたのは、
1980年代の初頭、二十代前半の頃ですから
もう40年以上も昔のことなんですが、
これらのクラックスに提示された
沢山の謎については、
以来ずっとアタマの片隅に存在していて、
あくまで自分なりにではあるんですが、
アプローチしてきたような気がしています。
もちろん、これらは問題意識のカタログというか、
トレーニングのための練習問題集なので、
そのひとつひとつが、
いずれも一生かかっても解けない様な難問揃いで、
その全部が解けたわけでは無いことは
もちろんのこと、
その時々で興味関心があるテーマについて
考えてみるだけで精一杯なんですが・・・
ただ、桜沢からは、知識を覚えることよりも、
与えられた問いに対し
自分なりに考え答を出そうとするプロセスで、
その背後にある法則性や原理に
自ら気づくことや
自ら問いを立てようとする姿勢の大事さを
学んだと言えるかもしれません。
さて、本日の記事はクラックスの3回目です。
巻末にもたくさんのクラックスが載っているので、
それをすべて提示しようとおもいたちました。
(引用ここから)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
クラックス(無双原理問題集)
(A)
(1) 権利
(2) 人生観
(3) 日本人は何故読書しないか
(4) What man has made of man.
(5) I'll take this home and see if I can find errors in any logic.
(6) 'I can't' never did do any- thing.
(7) I never met a man I didn't like.
(8) 質
(9) 量
(10) The child is father to the man.
(11) If you want things done, call a busy man.
(12) ムダ
(13) If there is any great or good thing in store for you, it will not come at the firpt or second call. - Emerson -
(14) 水蒸気が水になるワケ(冷気で)
(15) 朝の空気は一番汚い
(16) I am who am.
(17) 肺患者の患部がレントゲンで黒くなるワケ
(18) 炎を立てるとよく燃えるワケ
(19) 玉ネギが目にしみるワケ
(20) 生玄米が駆虫に効くワケ
(21) 深海魚に目のない魚と特別に目の大きい魚のあるワケ
(22) 存在するものはすべて正しい(フランクリン)
(23) カントの人間論
1.人間は何を知る事ができるか
2.人間は何をなすべきか
3.人間は何を望みうるか
4.人間とは何か
(24) 「類をもって集まる」と「同性相排斥す」のチガイ
(25) 自殺
(26) 血液型
(27) 宇宙の秩序と食養
(28) 意志
(29) Form 型
(30) ニオイ
(31) 新緑の頃は精神病が多いのに緑の部屋に入るとナゼおちつくか?
(B)
(1) 偉人の子が何故偉人にならないか
(2) 此の世の中で一番大切なこと及びそれを実行する方法
(3) 数とは?
1.始があって終りもあるのか?
2.始めもなく終りもないのか
3.又は?
(4) 質の方程式
(5) フランクリンの信条に対するヒハン
1. 万物の創造主唯一の神がある
2. 神は摂理に従つて世界を治める
3.神はウヤマイと祈りと感謝をもってアガめよ
4.霊は不滅である
5.神の最も喜び拾う事は人に善を施すことである
6.神は此の世かあの世で必ず報いを与えられる
(6) 空の袋はマッスグに立ちにくい
(7) The State follws, haltingly, and at a distance, the thinkers of the country. -Emerson-
(8) 破防法対策案
(9) マルクスの天才は勤勉の賜であった
(10) The Mature Mind(心理的円熟)
(11) 現代の教育の主眼は子供の適性をみつけてこれによって教育してゆくこと、すなわち個性をのばすことである
(12) 最も好きなものに最大の努力を捧げる時に最大の傑作が生れる
(13) 円熟した人間 (Mature man) の特徴は生を愛すること(オールOK)である
(14) ナゼ働くと病気が治るか
(15) 三権分立について
(16) 忍耐
(17) 適性、適性教育
(18) (12)の考えが文明の中心になったら現代の多くの不幸が取り除かれるであろう
(19) 適材適所
(20) 撥刺とした心と目的があれば、年をとる程心も性格もよくなる。又個人や社会の事についても智識がふえてくる
(21) 年をとっても生きている限りは学ぶ事ができるし、又学ばねばならない
(22) 忍耐、技能、労働が人間を作る
(23) 創造
(24) 社会性
(25) 自分の好意が自分のためになるものであるほど、同時に、人から好かれた人は非常に少ない
(26) 我々は力をのばしきらないうちに死ぬ。のびる可能性はあっても、完全に力をのばしきる人は絶対にないであろう
(27) ユーモア
(28) 人間は責任を感ずる主体である。ここに自由が要請されてくる(カント)
(29) 世界観
(30) カルモチン
(31) 適応と円熟とはちがう
(32) 哲学者が主権を持つ時代が来るまでは人間の社会は幸福にならぬ
(33) 完成した人に権威というモノが必要になる
(34) 汝の適性を知れ
(35) 成人教育
(36) 子供は自分本位の行動と欲望があるだけ
(37) 歴史の上で適材適所にいたことはない
(C)
(1) 哲学とは自由人の学
(2) ミナが自由にならなければ平和は来ない
(3) 自己防衛
(4) Maladie(病気)?
(5) 汗のメカニズム
(6) カントの「責任と自由」のヒハン
(7) ▽と△とどちらが強いか?
(8) 眼
(9) 形式論理学と弁証法
(10) “ありがたい” とはどんなコトを云うか?
(11) 強さ
(12) 乳歯の代る理由
(13) 我が来れるは息子をその父より、娘をその母より奪わんがためなり
(14) にくしみ
(15) 復讐
(16) ムギと米, 白米と玄米の▽△について
(17) punishment (罰)?
(18) 地球を出発して真直ぐに直進するとせよ、かかる運動は始めがあって終りがないのではないか。
(19) 病気が進行して最後が死であった場合、 病気と云うモノは始があって終がないと云うコトになるのではないか?
(20) 真人はなぜ Sante (健康)か?
(21) 玄米ダケが正しい食物であるワケ
(22) 本来永遠なる人間が生, 死すると云うコト
(23) 邪食をしても病気にならない人のあるワケ
(24) ナゼ我々は戦争に反対しセカイセイフ運動をするか?
(25) The best and biggest thing
(D)
(1) 人間の性質(本質)は変える事ができるか
(2) Vivere parvo!(最少のものにて生くること)
(3) ユネスコ(国際教育科学振興)によって科学が人類に寄与する
(4) Value 価値
(5) 創造と云うモノがある一定の年の月、日、時、分、秒に行われたという思想
(6) 世界政府年金
(7) 勝つ
(8) ∞…→…∞(ある直線があるとせよ、その左端も右端も無限大に続くものであるとき、この直線上でどれが▽でどれが△か?)
(9) パチンコ病
(10) ナゼ大きいモノが小さいモノを食うか?
(11) マタイ伝十三章十二節「それ誰にても、有てる人は与えられていよいよ豊かならん。されど有たぬ人は、その有てる物をも取らるべし」
(12) マタイ伝十六章十九節「われ天国の鍵を汝に与えん。凡そ汝が地にて縛ぐところは天にてもぎ、地にて解く所は天にてもとくなり」
(13) ハシカ
(14) 混血児
(15) ゴマはその子孫を亡ぼす。
(16) すべての yovng animal は食べてすぐねるのか
(17) おきていることは習慣によるものだ。 そしてこれは習得するものだ
(18) 眠らないことは不自然だ。赤ん坊の脳が発達するにつれ、24時間の中に一回だけ寝ればよい様になってくる。練習で18時間も起きていられる様になってくる。これは脳が発達してくることによるからだ
(19) 大脳皮質をとってしまうとただ寝たり、起きたり、食ったりするだけの人間になる
(20) ナゼ、モノを見る度にVibra- tion が強くなるか
(21) なにか特別の神経がなければ起きてゆくことができないことがわかった
[注:以上(16)~(21)はSANA 49号(28年7月号)を参照の事]
(22) 宇宙の秩序の二「有表則有裏」の言いかえ
(23) 最大の▽は最大の△か
(24) ▽△を左右し、変更できるか
(25) 人間の最大の罪および最大の罰
(26) この世で最も完全なモノ
(27) Life is too short to be little.
(28) 社会革命
(29) meaning 意味
(30) 目はナゼ物を見るか
(E)
(1) 水と氷を合わせると結合する理由
(2) あくび
(3) 大脳がなくても意識の作用をするワケ
(4) 人間は自然に自分を守ろうとする場合には人を殺す権利がある。国家も同様に戦争をするという権利をもっている
(5) 征服されたるモノは常に悪いモノである
(6) 魚の目と人間の目
(7) 下唇がふくれるワケ(その病症)
(8) 意識
(9) 意志(具体的に)
(10) 菜根譚
(11) ロガリトミック・スパイラル
(12) 新緑の▽△
(13) うれしなきとかなしなき(生理学的にとけ)
(14) 酒をのむと急激に判断力が低下するワケ
(15) 甘味を多食すると判断力が緩漫に低下するワケ
(16) Ricard's law (収穫逓減の法則)
(17) mass psychology.
(18) 集団心理と群集心理
(19) サボテンのトゲ
(20) サボテンの肉の厚さ 5, 6吋(インチ)、これに栄養分がある
(21) サボテンに青、赤の実ができる
(22) トゲの繊維をのければサボテンはスバラシイ食物になる
(23) バーバンクはどんな方法でトゲをなくしたか
(24) △を与えて▽になるワケ(レールと炎天のごとし)
(25) ▽を与えて△になるワケ(寒さで人間が小さくなるごとし)
(26) △を与えれば△になるのだがレールと炎天の場合はチガってくるこれはナゼか
(27) 湿布がきくワケ
(28) 炎症
(F)
(1) 冷蔵植皮
(2) 目に熱を与えると非常に硬化する。 そのワケ。
(3) 人間は名の知れるのが怖い。病気は名が知られないのがこわい (魚返善雄『菜根譚』より)
(4) ある▽では活動するし, ある△では静かになる。そのワケ。
(5) 君は新しい思想を生かし、のばすことができるか
君は他人を生かし、のばすことができるか
君は自分自身を生かし、のばすことができるか
(6) 白米で玄米と同じ効果を示す方法
(7) 空からのゴミは Fe, Si, Oだけで、インセキや流星と同性質のモノだが、なぜこういった▽なものがおちてくるのか? 及びまるい形でおちてくるワケ
(8) 次のコトバのヒハン
We shall know the truth and the truth shall make you free.(真理を知れ、然らば汝は自由たらん)
(9) There is no disease more hopeless than wont of wisdom.
(10) ステアリン酸を水の中におとすと,一,二滴で非常にうすい膜が水面にひろがる。この中にガラスを入れると一番はじめ・・・透明度を増す11回あげたり入れたりするとうすぐろくなる
21回 〃 〃 暗青色
31回 〃 〃 黄色
41回 〃 〃 茶色
51回 〃 〃 茶褐色
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(引用ここまで)
『無双原理・易』に示されたものと同じように、
これらのクラックスは、
非常に広範囲のテーマにまたがっていて、
問いのサイズも小さなものから大きなものまで
種々雑多ではあるんですが、
全体として見渡してみるだけでも、
非常に多くのことを考えさせられますね。
寺子屋塾を始めて以後のわたしの脳裏には、
(B)グループでは、
(2) 此の世の中で一番大切なこと及びそれを実行する方法
(12) 最も好きなものに最大の努力を捧げる時に最大の傑作が生れる
(13) 円熟した人間 (Mature man) の特徴は生を愛すること(オールOK)である
(35) 成人教育
などが。また(D)グループでは
(1) 人間の性質(本質)は変える事ができるか
(4) value 価値
(29) meaning 意味
などの問いがいつも存在しているように感じます。
たとえば、最近ではわたし自身、
意志、意識とは何かという問いについて
考える時間が少なくないんですが、
(E)グループの⑻⑼に入っていましたね。
そうした思考プロセスについては、
これまでこの寺子屋塾ブログに
書いたものもありますし、
書いていないものについても、
いずれは書いてみようとおもっています。
あと、日本CI協会のwebsiteをアクセスしたら、
ちょうど『無双原理・易』が
会員限定ではあるんですが、今月6/8から
無料で閲覧できるようになっていました。
・桜沢如一主要書籍の無料閲覧ができます(会員限定・外部リンク)
ネット会員には、どなたでもなることができ
メールアドレスとパスワードを登録するだけで、
資格を問いません。
『無双原理・易』は桜沢の著作のなかでも
難解で知られる1冊なので、
読み解くのは骨が折れるとおもいますが、
『魔法のメガネ』『永遠の少年』などは
比較的読みやすいですし、
他の著書にもクラックスにアプローチするのに、
参考になることが色々書かれているので、
お手元にお持ちで無い方は、
この機会に閲覧されてみてはいかがでしょうか。
桜沢のクラックスに言及するのは
この記事にて終了し、
明日からは易経六十四卦の概説に移る予定です。
【易経関連の主な過去投稿記事】
・わたしが易経から学んだこと
・易経というモノサシをどう活用できるか
・天の時、地の利、人の和———運気を高める三才(響月ケシーさんのYouTube動画より)①
・天の時、地の利、人の和———運気を高める三才(響月ケシーさんのYouTube動画より)②
・ユング「易は自ら問いを発する人に対してのみ己自身を開示する」(今日の名言・その79)