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陰と陽とは何か⑳「六十四卦(その2)風天小畜〜雷地豫」

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陰と陽とは何か⑳「六十四卦(その2)風天小畜〜雷地豫」

陰と陽とは何か⑳「六十四卦(その2)風天小畜〜雷地豫」

2024/06/22

6/3からこの寺子屋塾ブログでは、

「陰と陽とは何か」というテーマで投稿していて、

本日6/22の記事で20回目となりました。

 

①〜⑤は陰と陽のベーシックな基本事項、

⑥〜⑩は八卦の基本事項、

⑪〜⑮は日常生活での応用、

⑯〜⑱は陰と陽についての練習問題集クラックス

というように

中テーマ的なまとまりはあるものの、

全体でひとつらなりの内容を書いてきました。

 

昨日からは易経六十四卦を註解しているので、

これまで投稿してきた記事をすべて読んでいないと

まったく理解できないわけではありませんが、

これまで書いて来た内容を前提とし

踏まえた内容ではあるので、

以下に未読記事がある方は

可能な範囲で確認下さると有難いです。

 

陰と陽とは何か①(易経の十翼『文言伝』より乾為天)

陰と陽とは何か②(易経の十翼『文言伝』より坤為地)

陰と陽とは何か③「エネルギー構造」

陰と陽とは何か④「求心力と遠心力」

陰と陽とは何か⑤「主観と客観の相対性」

陰と陽とは何か⑥「八卦(その1)」(易経の十翼『説卦伝』)

陰と陽とは何か⑦「八卦(その2)」(卦象と卦徳)

陰と陽とは何か⑧「八卦(その3)」(主爻、陽卦と陰卦)

陰と陽とは何か⑨「八卦(その4)」(裏卦と綜卦)

陰と陽とは何か⑩「八卦(その5)」(なぜ陰が六で陽が九?)

陰と陽とは何か⑪「日常生活での応用(その1)料理の原則」

陰と陽とは何か⑫「日常生活での応用(その2)コマイヌ」

陰と陽とは何か⑬「日常生活での応用(その3)仁王像の不思議」

陰と陽とは何か⑭「日常生活での応用(その4)食べ物にみる陰陽」

陰と陽とは何か⑮「日常生活での応用(その5)運勢、運命、使命」

陰と陽とは何か⑯「練習問題集〝クラックス〟(その1)」

陰と陽とは何か⑰「練習問題集〝クラックス〟(その2)」

陰と陽とは何か⑱「練習問題集〝クラックス〟(その3)」

陰と陽とは何か⑲「六十四卦(その1)乾為天〜水地比」

 

さて、前記したように

昨日6/21からは易経六十四卦を

序卦伝の順番で註解していて、

昨日は01乾為天から08水地比まで記しました。

 

易経の英訳本は、I ching (イーチン)もしくは、

〝The Book of Changes〟と題されています。

 

「易」という漢字は、身体の色を変える

カメレオンの象形文字と言われてきました。

 

つまり、〝変化〟というのが

易の象徴であり、本質であるから、

易経とは即ち「タイミングの哲学」であると

称した人もあったようです。


六十四卦とは、結局のところ何なのかと言えば、

日々変化しつつある状況であっても、

今というタイミングが

いったいどんな状況にあるのか、

その変化のようすにはある法則性があって

それを知る手がかりを示しているわけですね。

 

たとえば、人間の運命やこの世界について

どう解釈するかについては、

さまざまな見方があるわけですが、

煎じつめていうなら、古代の中国人は、

それを64通りに解釈したんだと。

 

7〜8回目の記事で、

八卦の基本的な約束について記しましたが、

それをおもいだしてください。

 

六十四卦(大成卦)は、次のように

八卦(小成卦)を上下に2つ組み合わせたもの。

 

陰陽を示す六本の線は爻(こう)と呼ばれ、

一つに繋がっているのが陽爻、

二つに離れているのが陰爻。

 

大成卦の爻は、下から上に向かって順番に

初爻、二爻、三爻、四爻、五爻、上爻と数え、

初爻〜三爻を内卦(あるいは下卦)

四爻〜上爻を外卦(あるいは上卦)と言います。

 

内卦は主に自分、内側の世界を表し、

外卦は外側の世界、つまり自分以外の他者、

外部環境の意となります。

 

たとえば、昨日三番目に註解した水雷屯では、

外卦「水(坎)」で内卦「雷(震)」ですから、

外側に坎難(落とし穴、困難なこと)があって、

内側の自分が動きたくても動きにくい状況、

「産みの苦しみで時間がかかる」という

意味になるわけですね。

 

さて、今日は09風天小畜から

9番目から16番目までの以下の卦について

 

09.風天小畜(ふうてんしょうちく)

10.天沢履(てんたくり)

11.地天泰(ちてんたい)

12.天地否(てんちひ)

13.天火同人(てんかどうじん)

14.火天大有(かてんだいゆう)

15.地山謙(ちざんけん)

16.雷地豫(らいちよ)

 

昨日と同じように、

卦象の図版、卦辞の白文、読み下し文、ひらがな文、

卦辞の大意、井上のコメントと続きます。

 

〔卦辞白文〕

小畜。亨。密雲不雨。自我西郊。 
 
〔読み下し文〕

小畜(しょうちく)は亨(とお)る。密雲(みつうん)して雨(あめ)ふらず、わが西郊(さいこう)よりす。

 

〔ひらがな文〕

しょうちくはとおる。みつうんしてあめふらず。わがさいこうよりす。
 
〔大意〕

風天小畜の時、通じる。厚い雲が立ちこめてきたが、雨はまだ降ってこない。やがて、西のほうから降りだすことだろう。

 

〔井上のコメント〕

「小畜」は少しとどめるの意。この卦は、陽爻の中に1つだけ陰爻が紛れ込んでいます。内卦「天(乾)」の動きが外卦「風(巽)」によって少し押しとどめられ、力を最大限に発揮できない状態とみます。叶いそうで叶わない、何だか歯がゆさを感じるときでもあり、現状を見直し、場合によっては改善が必要なこともあるでしょう。順調に見えても、何らかの不具合が生じたり、些細な行き違いで物事が停滞したりするため、ストレスがたまりやすく、心身の不調が出やすいとき。しかし、状況はよい方向に向かっているので、無理に前進しようとせず、機が熟する日を待つこと。柔軟性を持って臨機応変に対応する姿勢が肝要なときでもあります。
また、綜卦にあたる次の天沢履や、蓄積という意味での類似卦である26山天大畜との対比で考えるとよいでしょう。まず、小畜が「ふみ止まる」のに対し、履は「ふみ行う」ですから対比がわかりやすいですし、また、小畜は卦辞に「密雲して雨降らず」とあり陰爻が1つしかないので、陰爻が2つある大畜にくらべると止める力が弱いとなります。たとえると信号待ちで車がストップしている状態というか、強い父親が怒って外に飛び出そうとするのを、心優しい娘がなだめるようなイメージです。卦辞の「密雲不雨、自我西郊」は62雷山小過六五の爻辞にも同じ表現が見られます。

 

 

 

〔卦辞白文〕

履虎尾。不咥人。亨。 
 
〔読み下し文〕

虎(とら)の尾(お)を履(ふ)む。人(ひと)を咥(くら)わず。亨(とお)る。

 

〔ひらがな文〕

とらのおをふむ。ひとをくらわず。とおる。
 
〔大意〕

天沢履の時、虎の尾を履むような危険はあるが、人に噛みつくことはない。通じる。


〔井上のコメント〕

「履」は草履の履でもあることから、「踏む」「実践する」という意味の卦で、外卦の「天(乾)」は地位や名誉ある年配者で、内卦「沢(兌)」はうら若きか弱い少女を表します。つまり、経験豊富な老父の後を年端もいかない少女がついて行く感じといえばイメージしやすいでしょうか。剛健なものと柔弱なもの、年齢差のある者同士の関わりを意味し、それを卦辞では「虎の尾を踏んだが人を食らわず(タイヘンな状況だけど食われてしまうことはない)」と表現しています。天沢履の時は、危険がいっぱいですが、虎の尾を履んでしまったような気持ちで、自分の立場をわきまえ、謙虚な振る舞いを心がければ道は開けるので、礼儀を失わず、人の道を履み行うことです。各爻ではどのように履行するか、その心得が詳しく述べられていることから、礼儀の卦とも言われます。ちなみに四字熟語「視履考祥(しりこうしょう)」は、天沢履上九の爻辞からとられました。なお、天沢履は女子裸身の卦ともいわれ、不倫や年の離れた人との恋愛も暗示しています。異性問題に気をつけましょう。

 

 

〔卦辞白文〕

泰。小往大来。吉亨。 
 
〔読み下し文〕

泰(たい)は、小(しょう)往(ゆ)き大(だい)来(きた)る。吉(きつ)にして亨(とお)る。

 

〔ひらがな文〕
たいはしょうゆきだいきたる。きつにしてとおる。
 
〔大意〕

地天泰の時、つまらぬ小人(しょうじん)が出て行き、大人(たいじん)が寄ってくる。吉にして通じる。


〔井上のコメント〕

外卦が陰爻3つの「地(坤)」で内卦が陽爻3つの「天(乾)」。つまり、地が下へと向かい、天が上へ向かうということで、2つの気が交わり最大パワーを発揮できる状態。よって、「泰」は安泰を意味し最高の調和状態にある大吉の卦とされています。泰卦は人物で言えば外柔内剛、リズムが整ってこれまでの努力が実を結ぶだけでなく、新しいことを始めても上昇気流に乗れる𠮷運の時ですが、「盈つれば食(か)ける」のが世の常で、天下泰平がいつまでも続くわけではありません。次の天地否は上卦と下卦をひっくり返した形の綜卦であり錯卦でもあって、視点を反転させただけでなく完全に真逆の意味をもちます。有頂天になっていると、周囲の嫉妬ややっかみを買い運気が下がるので、ちょっとした気の緩みが運を落とすきっかけにもなりかねず、油断大敵の時でもあります。幸運は長く続かないことを肝に銘じ、より一層の感謝と謙虚な気持ちを忘れず、次に備える姿勢も失わないように。

 

 

〔卦辞白文〕

否。之匪人。不利君子貞。大往小来。 

 

〔読み下し文〕

否(ひ)の人(ひと)にあらざる。君子(くんし)の貞(てい)に利(り)あらず。大(だい)往(ゆ)き小(しょう)来(きた)る。

 

〔ひらがな文〕

ひのひとにあらざる。くんしのていにりあらず。だいゆきしょうきたる。

 

〔大意〕

天地否の時には人の道がまともに行なわれない。君子がいかに貞正を守って事を行なおうとしても、行なえない。大人が追い出され、つまらぬ小人がのさばっている時だからである。


〔井上のコメント〕

「否」は否定の否で、塞がって通じない意。外卦が上に向かう「天(乾)」、内卦が下に向かう「地(坤)」であるため、両方の気が反対向きで地天泰とは真逆の構成。天地否は、調和が取れずまとまりのない運気にあり、正しいことや常識が通じません。まさに不毛の時のため、よくない状況を何とかしようと必死で動いても、八方ふさがりになったり、悪化させてしまうことを暗示しています。よって、意地を張ってプライドにしがみついたりトラブルに飛び込んだりするよりも、目立つことなく傍観者でいるのが無難。陽爻と陰爻が揃っていて、やがて光が差すことも暗示しているので、うまく身を引くことができれば、次に繋いでいける時でもあるからです。
綜卦にあたり同時に錯卦でもあり「調和、安泰、通じる」の意味をもつ一つ前の11.地天泰と対で捉えると理解しやすいでしょう。天地否は「拒否、反目、塞がる」ですから両者は完全に真逆の概念です。泰卦も否卦もいずれも十二消長卦のひとつで、泰卦は坤為地から乾為天に向かう陽卦が増えて行く途中に、否卦は乾為天から坤為地に向かう陰卦が増えて行く途中にあることでも対照的です。風山漸の小まめな努力を怠り九三と六四が入れ替わった形。内側に小人が跋扈して外側の君子が駆逐されてしまうなど、ネガティブな意味合いが強くても三陰三陽卦なので、どこかに突破口を見つけることはできるかもしれませんが、正論が通らない時でもあり無理せずジタバタしないことが得策。ちなみに、六十四卦のうち隣同士が綜卦で錯卦でもある組み合わせは、地天泰と天地否を含め全部で4組あり、他は17.沢雷随と18.山風蠱、53.風山漸と54.雷沢帰妹、63水火既済と64.火水未済です。

 

 

〔卦辞白文〕

同人。于野。亨。利渉大川。利君子貞。 

 

〔読み下し文〕

同人(どうじん)は、野(や)に于(おい)てす。亨(とお)る。大川(たいせん)を渉(わた)るに利(り)あり。君子(くんし)の貞(てい)に利(り)あり。

 

〔ひらがな文〕

どうじんは、やにおいてす。とおる。たいせんをわたるにりあり。くんしのていにりあり。

 

〔大意〕

天火同人の時、同じ志を持った者同志が、広々とした野原のように公明正大であれば通じる。大川を渡っても良い。君子は貞正であれば良い。


〔井上のコメント〕

「同人」は読んで字のごとく同じ志を持つ仲間の意。外卦「天(乾)」の剛健さに内卦「火(離)」が従い着く、さらに「天」「火」はともに上昇を表すことから、この卦は仲間とともに上を目指すこと、公明正大であることを暗示しています。単独行動より団体行動が運気を高め、不可能を可能にするので、気の合う仲間を大切にしてグループで行動する時。かといって、方向性が違うとか、志が異なる相手ではうまくはいかないので、万人を受け入れなければならないわけではありません。私利私欲の固まりのような人は、このチャンスを活かしきれないので、本当に腹を割れるような相手と手を結ぶことがポイントです。
天火同人も次の綜卦14.火天大有とは上卦と下卦をひっくり返した形で、対の意味で捉えるとよいでしょう。内卦(下卦)が自分で外卦(上卦)がまわりを表しますから、同人は外側に才能ある人「天(乾)」がいるので、そうした周囲の助力を得ようとする状態に対し、大有は自らの内に乾のエネルギーを備えていて、内部のパワーを使って外へ打って出ようとする状態といってよいでしょう。このような内卦と外卦の関わりから卦全体の意味合いを捉える視点は六十四卦を解釈する上でとても重要です。また、爻の陰陽や応爻、比爻の関係で爻辞を読んでいくと興味深い卦です。

 

 

〔卦辞白文〕

大有。元亨。 

 

〔読み下し文〕

大有(だいゆう)は、元(おお)いに亨(とお)る。

 

〔ひらがな文〕

だいゆうは、おおいにとおる。

 

〔大意〕

火天大有の時、大いに通じる。


〔井上のコメント〕

「大有」は大いに所有するの意で、陽爻が5つ揃い、大変活気に満ちた状態です。外卦が「火(離)」、内卦が「天(乾)」ですから、火の力を天が盛り上げ、その力で大きく発展していけることを暗示しています。実力を発揮するチャンスに恵まれ、積極的に行動してよい時。お金にしても、地位にしても、世間の評判にしても、大いに所有できる時ですから、願いも大いに叶いますが、決してうぬぼれてはいけません。現在の盛運はあなたの実力のみでなく、天の助けがあってのことと自覚し、調子に乗りすぎたりやりすぎたりすることがないよう謙虚な気持ちを忘れないこと。たとえ絶好調でも努力を怠らず、また用心深く慎重に物事と向き合うことです。
一つ前の綜卦13.天火同人と上卦と下卦をひっくり返した形ですから、どのような対になるかを考えてみるとよいでしょう。同人は、外側に才能ある人「天(乾)」がいるので、同志が集まり団体を作ってそうした周囲の助力を得ようとする状態に対し、大有は自らの内に乾のエネルギーを備えていてモノが沢山あるので、そうした内部のパワーを使って外へ打って出ようとする状態となります。同人は一陰が臣・妻の位二爻にあり、九五陽の君・夫がそれを求めてやまないのに対し、この大有は尊位である五爻が一陰なので、下から求めてくるのも面白いですね。五爻は陰爻でしかも定位ではなく衆陽を駆使してゆく力は弱いため、応じている九二や親比している九四の力を借りないといけません。それで威厳をもって、交わりを厚くとあるわけです。

 

 

〔卦辞白文〕

謙。亨。君子有終吉。 

 

〔読み下し文〕

謙(けん)は亨(とお)る。君子(くんし)、終(おわり)有(あ)り。吉(きつ)。

 

〔ひらがな文〕

けんはとおる。くんしおわりあり。きつ。

 

〔大意〕

地山謙の時、通じる。君子は終わりを全うすることができる。吉。


〔井上のコメント〕

「謙」は謙虚、慎み深いの意。この卦は、外卦「地(坤)」の中に内卦「山(艮)」が没していることから、本来高い場所にあるべき尊いものが頭を低くして、実るほど頭を垂れる稲穂といった低姿勢の状態を表します。地山謙の精神は、「能ある鷹は爪を隠す」のことわざ通り、消極的に見られがちであっても、人生においては世渡りの知恵として大切です。よって、貪欲であれば運を逃がし、感謝を忘れなければ運が得られるのがこの卦です。与えられることを当たり前だと思っていると、運気は下降の一途をたどるでしょう。ただし、過ぎたるは及ばざるが如しで、謙虚が行きすぎ卑屈になると災いを招く恐れがあり、いじけたり自虐的にはなったりしないように。また、女性を意味する陰爻が5つ、男性を意味する陽爻が1つのこの卦は、男性であれば人気抜群に、女性ではライバルの多さを暗示するので、異性関係には要注意!
綜卦にあたる次の16.雷地豫とセットにして対比的に考えることで両卦への理解が深まります。謙は謙虚、遠慮の意味で動かない陽爻の側から見ているのに対して、豫は熱中、情熱の意味で、動いていく陰爻の側から見ているわけです。各爻は謙虚さにもいろいろあることを示していますが、謙虚さの度合いというベクトルで見たときには、初六が最も強く、「師(いくさ)を行って邑国を征する」とある上六は、いくら内輪もめへの対処行動であったとしても、最も弱いと言えるでしょう。真の謙虚さというのは、ダメなモノはダメといい、動くべき時にはちゃんと動くということであって、いつでも控えめにしていることとは違うのですから。

 

 

〔卦辞白文〕

豫。利建侯行師。 

 

〔読み下し文〕

豫(よ)は、侯(きみ)を建(た)て師(いくさ)を行(や)るに利(り)あり。

 

〔ひらがな文〕

よは、きみをたていくさをやるにりあり。

 

〔大意〕

雷地豫の時、諸侯を動かして戦争を行っても良い。


〔井上のコメント〕

「豫」は喜び、楽しみ、満足の意。「師」は戦争のこと。外卦が「雷(震)」で内卦が「地(坤)」ですから、雷気が地上に現れまさに発動せん時で、この卦はスタートの春を表します。豫は「予」の異体字にあたり、あらかじめという意味をもっていますから、前々から準備してきたことを実行に移すのによいタイミングにあります。衝動的ではなく綿密に計画を練ってきたことであれば、滞りなく進めることができるでしょう。その一方で、ルーチンの連続やマンネリ気味という暗示もあり、慢心して脱線したり、怠惰さが前面に出たりしないよう注意しましょう。良い運気の時ですが油断大敵です。
一つ前の綜卦15.地山謙と視点を反転させて考えてみてください。豫卦は楽しむ心、情熱の意味で、動いていく陰爻の側から見ているのに対し、謙卦は謙虚、遠慮の意味ですから、動かない陽爻の側から見ているわけです。卦辞「侯を建て師を行るに利あり」とは、直訳すれば「しかるべき人物を立てて戦を仕掛けてもよろしい」となり物騒な感じがしますが、あくまで戦はたとえで、以前からの計画を実行する好機と解したり、内卦の坤は衆が従う意味をもつので、民を治めることに解したりします。

 


さて、明日も六十四卦の続きで、

17.沢雷随から24.地雷復までを

記す予定です。

 

 

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