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栗本慎一郎「ユニークであろうとすればユニークにはなれない」(今日の名言・その76)

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栗本慎一郎「ユニークであろうとすればユニークにはなれない」(今日の名言・その76)

栗本慎一郎「ユニークであろうとすればユニークにはなれない」(今日の名言・その76)

2024/03/17

 

 ユニークで独創的に考えるということは、

 ユニークや独創的であろうとして

 考えることではなく、

 ユニークと言われているような考えを

 当たり前だと思わせるための

 まともな優秀さを

 追究することによって生まれる。

 

 それがユニークに見えるのは

 まだ「凡庸」なためで、

 ほんとうのものなら、

 やがてはまともに受け入れられるものである。

 

 かくしてユニークさは

 当然論理力とも両立するし、

 ユニークであろうとすれば

 ユニークにはなれないものなのである。

 

栗本慎一郎(1941年東京生まれ・経済人類学者)『縄文式頭脳革命』まえがきより

 

 

 

先月2/26に投稿したこちらの記事

紹介したんですが、

個性的でない人なんてだれ一人としていない

という主旨のつぶやき考現学を

1998年2月に書いたことがありました。

 

個性的であること、つまりユニークさとは、

そうなることを目指してしまうと、

ユニークっぽいものがどんどん増えて、

結果的にユニークではなくなってしまうという

論理矛盾を突いた話だったんですが、

そもそもわたしがこういう発想を

どこから得たかという

ルーツについて考えていたときに、

1989年11月に初版が出ているこの

栗本慎一郎さんの『縄文式頭脳革命』という本を

おもいだした次第です。

 

栗本慎一郎さんの著書を最初に読んだのは、

1981年4月に光文社カッパブックスに入った

『パンツをはいたサル』で、

栗本さんはこのブログでときどき紹介している

マイケル・ポランニーの研究者でもあり、

暗黙知という概念には

随分影響をうけましたし、

たぶん、栗本さんの本を読むことがなければ、

ポランニーのような学者に

関心をもつことも無かったことでしょう。

 

冒頭に紹介した文章は、

本書のまえがきの終結部にあるんですが、

次のようにつづきます。


というわけで、

当たり前の筋を踏みはずさなければ、

あなたはかならずユニークになってしまう

構造があることを、

ここで記述していくことにする。

ユニークというのは、

当たり前だということなのだ。
いかがだろう。

すでに、かなりユニークではないか。

これが分かった人は、

すでに優秀でユニークなのだ。

 

ということで、いよいよ、

本題へ進んで行くことにしよう。

 

この本では、

「優秀さって何だろう?」という問いが

いろいろな形で展開されているんですが、

当たり前であることがユニークだという発想が

何よりもオモシロイとおもいました。

 

知識をどんどん詰め込むような

たし算的な発想でなく、

脳内に巣くってしまっている自分のおもいこみを

手放して、ひき算発想で考えたい人、

つまり、自分がもともと持っているものを

掘り起こし、大切にしていきたい人は

この本を丁寧に読みこんで、

書かれていることを

すこしずつ実践されてはいかがでしょうか。

 

 

【最近投稿した「今日の名言」シリーズ】

道元禅師『正法眼蔵』現成公按より(今日の名言・その75)

岡田謙三「弱くてはいけない。強くてもいけない。」(今日の名言・その74)

篠田桃紅『これでおしまい』より(今日の名言・その73)

銀色夏生『詩集 エイプリル』より(今日の名言・その72)

ドビュッシー『ピアノのための12の練習曲』序文(今日の名言・その71)

ファラデー『ロウソクの科学』より(今日の名言・その70)

為末大「自分を認められるのは自分しかいません」(今日の名言・その69)

J.クリシュナムルティ「あなたは世界であり、世界はあなたである」(今日の名言・その68)

森下典子『日日是好日 「お茶」が教えてくれた15の幸せ』より(今日の名言・その67)
ハンナ・アーレント「世界最大の悪は、ごく平凡な人間が行う悪です」(今日の名言・その66)
TVドラマ鈴木先生「体験は人間性を磨く上での貴重な教材だ。」(今日の名言・その65)
ベートーヴェン「つねに行為の動機のみを重んじて帰着する結果を想うな」(今日の名言・その64)
スヌーピー「配られたカードで勝負するしかないのさ」(今日の名言・その63)
映画『シェルタリング・スカイ』より「満月が昇る姿をあと幾度見るだろう?」(今日の名言・その62)
映画『マトリックス』より「これは最後のチャンスだ!青い薬を飲むか、赤い薬を飲むか?」(今日の名言・その61)

 ※(その61)の最後にその60以前の記事一覧を載せています

 

【参考記事】

古典とわたしたちのつながりを俯瞰すること

もともと知っているのなら、なぜわたしたちは本を読むのですか?

マイケル・ポランニー『暗黙知の次元 言語から非言語へ』

マイケル・ポランニー「科学は観察の拡張」(今日の名言・その26)

 

 

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●2021.9.1~2023.12.31記事タイトル一覧は

 こちらの記事(旧ブログ)からどうぞ

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