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子貢問君子、子曰、先行其言(『論語』為政第二の13 No.029)

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子貢問君子、子曰、先行其言(『論語』為政第二の13 No.029)

子貢問君子、子曰、先行其言(『論語』為政第二の13 No.029)

2024/05/13

今日も昨日に続いて

論語499章1日1章読解から。

 

この記事が今月6回目の投稿になるんですが、

主に学習というテーマの

周辺に関連する章句を読んできました。

郷原德之賊也(『論語』陽貨第十七の13 No.447)

不曰如之何如之何者(『論語』衛霊公第十五の15 No.394)

學如不及、猶恐失之(『論語』泰伯第八の17 No.201)

性相近也、習相遠也(『論語』陽貨第十七の2番 No.436)

我未見好仁者惡不仁者(『論語』里仁第四の4 No.72)

 

今日は、孔子が子貢に問われて
言葉を発することと

行動との関係について言及している

為政第二の13番(通し番号029)を。

 

(引用ここから)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【為政・第二】029-2-13

[要旨(大意)]

弁舌爽やかで門人の中では最も議論に強かった子貢(しこう)に欠けている部分を、孔子がそれとなく指摘している章。

 

[白文]

子貢問君子、子曰、先行其言、而後從之。

 

[訓読文]

子貢、君子ヲ問フ、子曰ク、先ニ其ノ言ヲ行ヒ、而シテ後之ニ從フ。

 

[カナ付き訓読文]

子貢(しこう)、君子(くんし)ヲ問(と)フ、子(し)曰(いわ)ク、先(さき)ニ其(そ)ノ言(げん)ヲ行(おこな)ヒ、而(しこう)シテ後(のち)之(これ)ニ従(したが)フ。

 

[ひらがな素読文]

しこうくんしをとう、しいわく、さきにそのげんをおこない、しこうしてのちにこれにしたがう。

 

[口語訳文1(逐語訳)]

 

子し貢こうが君子を問うた。孔子様がおっしゃるよう、「言わんと欲ほっするところを行って然しかる後に言うのが君子である。」

 

[口語訳文2(従来訳)]

子貢が君子たるものの心得をたずねた。先師はこたえられた。――
「君子は、言いたいことがあったら、まずそれを自分でおこなってから言うものだ」(下村湖人『現代訳 論語』)
 
[口語訳文3(井上の意訳)]

子貢が君子について尋ねた。先生(孔子)はこう言われた。「君子(たる者の心得)とはまず行動することで、それについての言葉は後でよい。」

 

[井上のコメント]

君子とはどういう人物なのかと問う子貢に対し、「初めから知識に依拠した主張を行うのではなく、まず自分がその主張に見合った行動をしてから、その後でその思想や理論について語りなさい」と説いたもの。この章については、「実行力が大事だ」「不言実行」という解釈がすくなくないようで、本章に似た主旨の章が里仁第四にもあります。(「子曰、古者、言之不出、恥躬之不逮也。〔22番・通し番号88〕」と「子曰、君子欲訥於言、而敏於行。〔24番・通し番号90〕」)子貢自身はたしかに弁の立つ人ではありましたが、だからと言って決して行動できない人間ではなく、「実行力が大事だ」「不言実行」という解釈は一面的すぎるように感じました。何より前提として本章は万人向けの言葉ではなく、子貢からの問いに対し子貢に向けて個別に語られた言葉であることは、見逃してはならない大事なポイントだとおもいます。孔子自身、言葉を沢山発した人ですし、言葉と実践はたとえるなら車の両輪のようなもので両方が大事であり、弁舌が立つこと自体を否定的に捉えているわけではないでしょうから。また、九去堂は、本章についての解説・付記のところで、興味深い指摘をしていたので、参考のところにアドレスをシェアしましたので、ちょっと長い文ですが読んでみて下さい。

 

[参考]

論語詳解029為政篇第二(13)子貢君子を問う’(九去堂)

 

子貢の詳しい人物像については次の記事をどうぞ

子貢曰、如能博施於民、而能済濟衆、何如(「論語499章1日1章読解」より)

 

 

●論語499章1日1章読解 過去の投稿記事一覧

論語499章1日1章解読ふりかえり(その1)

論語499章1日1章解読ふりかえり(その2)

論語499章1日1章解読ふりかえり(その3)

 

【学而・第一】008-1-08 君子不重則不威、學則不固

【為政・第二】020-2-04 吾十有五而志乎學、三十而立、四十而不惑

【為政・第二】031-2-15 學而不思則罔、思而不學則殆

【為政・第二】032-2-16 攻乎異端、斯害也已矣

【為政・第二】033-2-17 由、誨女知之乎、知之爲知之

【八佾・第三】063-3-23 子語魯大師樂曰、樂其可知已、始作翕如也

【里仁・第四】072-4-04我未見好仁者惡不仁者(『論語』里仁第四の4 No.72)

【里仁・第四】073-4-07 人之過也、各於其黨、觀過斯知仁矣

【里仁・第四】076-4-19 君子之於天下也、無適也、無莫也、義之與比

【里仁・第四】077-4-11 君子懐德、小人懷土、君子懷刑、小人懐惠

【里仁・第四】084-4-18 事父母幾諌、見志不從、又敬不違、勞而不怨

【公冶長・第五】096-5-04 或曰、雍也、仁而不佞

【雍也・第六】129-6-10 冉求曰、非不説子之道、力不足也

【雍也・第六】134-6-15 誰能出不由戸、何莫由斯道也 

【雍也・第六】136-6-17 人之生也直、罔之生也、幸而免
【雍也・第六】138-6-19 中人以上、可以語上也、中人以下、不可以語上也
【雍也・第六】146-6-27 中庸之爲德也

【雍也・第六】147-6-28 子貢曰、如能博施於民、而能済濟衆、何如

【述而・第七】148-7-01 述而不作、信而好古、竊比於我老彭

【述而・第七】153-7-06 子曰、志於道、拠於德

【述而・第七】155-7-08 不憤不啓、不悱不發、擧一偶

【述而・第七】163-7-16 如我數年、五十以學、易可以無大過矣

【述而・第七】170-7-23 二三子以我爲隠乎、吾無隠乎爾

【泰伯・第八】201-8-17 學如不及、猶恐失之

【子罕・第九】215-9-10 顔淵喟然歎曰、仰之彌高、鑽之彌堅、瞻之在前

【子罕・第九】228-9-23 法語之言、能無從乎、改之爲貴

【子罕・第九】234&235-9-29&30 可與共學、未可與適道、可與適道

【顔淵・第十二】279-12-01 顔淵問仁、子曰、克己復禮爲仁

【子路・第十三】323-13-21 不得中行而與之、必也狂狷乎

【子路・第十三】324-13-22 南人有言、曰、人而無恆、不可以作巫醫

【子路・第十三】325-13-23 君子和而不同、小人同而不和

【子路・第十三】328-13-26 君子泰而不驕、小人驕而不泰

【憲問・第十四】337-14-05 有德者必有言、有言者不必有德

【憲問・第十四】368-14-36 或曰、以徳報怨、何如

【衛霊公・第十五】381-15-02 賜也、女以予爲多學而識之者與

【衛霊公・第十五】384-15-05 子張問行、子曰、言忠信、行篤敬、雖蠻貊之邦行矣

【衛霊公・第十五】394-15-15 不曰如之何如之何者

【衛霊公・第十五】396-15-17 君子義以爲質、禮以行之、孫以出之、信以成之

【季氏・第十六】429-16-09 生而知之者、上也、學而知之者、次也

【陽貨・第十七】436-17-02 性相近也、習相遠也

【陽貨・第十七】443-17-09 小子、何莫學夫詩、詩可以興

【陽貨・第十七】447-17-13 郷原德之賊也

【陽貨・第十七】459-17-25 唯女子與小人、爲難養也

【堯曰・第二十】499-20-03 不知命、無以爲君子也、不知禮

 

【論語読解の参考記事】

安田登『役に立つ古典』〜古典から何を学ぶか〜

情報洪水の時代をどう生きるか(その6)
顔回をめぐる問いと諸星大二郎『孔子暗黒伝』のこと
書経・商書「生きる方向軸が一つに定まっていれば吉」(「今日の名言・その7」)

問題解決ツールのコレクターになっていませんか?(つぶやき考現学 No.59)

 

 

 

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