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落合陽一『マタギドライヴとは』(その5)中年の生き方と、祭りから生まれる意味

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落合陽一『マタギドライヴとは』(その5)中年の生き方と、祭りから生まれる意味

落合陽一『マタギドライヴとは』(その5)中年の生き方と、祭りから生まれる意味

2026/11/02

10/21から寺子屋塾ブログでは、

メディアアーティスト・落合陽一さんの

著書や動画を紹介しながら記事を書いています。

 

今日は、昨日11/1投稿した記事の続きで、

マタギドライヴ文字起こし記事の5回目を。
 

本書は9/23に上梓されたばかりで、

落合さんの一番新しい著書です。

『マタギドライヴ 計算機自然の辺縁における脱人間知性的文明論』

 

この記事から初めてアクセスされた方など、

以下の記事に未読分がある方は、

本日分の文字起こしテキストを

読まれる前に確認ください。

 

・『猫でもわかる生成AI ~落合陽一に100のプロンプトを入力してみた~』を読んでみて
・落合陽一「超AI時代の世界、日本、そして人間」(その1)

・落合陽一「超AI時代の世界、日本、そして人間」(その2)

・落合陽一「超AI時代の世界、日本、そして人間」(その3)

・落合陽一「超AI時代の世界、日本、そして人間」(その4)

・落合陽一「超AI時代の世界、日本、そして人間」(その5)

・AIに何を任せ、自分は何を学ぶのか ~落合陽一さんのお話と寺子屋塾のセルフラーニング~

・落合陽一さんの著書、動画の紹介

・落合陽一『マタギドライヴとは』(その1)知能が無料になる世界と、新しい自然

・落合陽一『マタギドライヴとは』(その2)作るから選ぶへ——身体と感覚の復権

・落合陽一『マタギドライヴとは』(その3)問題解決から価値発見へ——探索する生き方

・落合陽一『マタギドライヴとは』(その4)AIで能力を広げ、現実世界で嗅覚を磨く

 

 

10/29からは、彼がこの本について語っている

PIVOTチャンネルにアップされている

YouTube動画2本を文字起こしして、

テキストを4回にわたりご紹介してきました。
 

【徹底解説:マタギドライヴ(落合陽一)】自然とは何か?/知能はほぼゼロ価値に/能力の再分配/AIには難しいこと/ラブ上等的な世界/仕事の変化/人を集める技術、ものを作る技術/問題解決より価値発見
2026.9.20アップロード

​

 

【AI時代を中年はどう生きるか:落合陽一】雑多な行動力/AI適応している人は2割/生産性200倍/デジタル中毒の罠/AIと資本主義/専制主義の次は革命/祭りの復権/ギャンブルと宗教の拡大/猿と人間

2026.9.21アップロード

​

 

本日(その5)として投稿する文字起こしテキストは

2本目動画の続きにあたる

12分07秒から22分43秒あたりまでです。

 

 

(文字起こし・ここから)
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専制主義が行き過ぎた先に、何が起こるのか

落合:専制主義が行き過ぎた先に起こるのは、革命じゃないですか。

 

佐々木:はい。

 

落合:なので、その匂いがする。しますよね。

 

佐々木:数年前には「戦争の匂いがする」と言っていて、その後、戦争が増えちゃった。今度は革命。

 

落合:専制主義が終わったときには、革命が起こって、民主主義に戻ったんですけど。資本主義が専制主義と一緒になったら、共産主義になるというよりは、民主主義になるんだと思うんですけど、

 

佐々木:また?

 

落合:つまり、何が言いたいかというと、専制主義が資本と結びついちゃっているから。資本を解体するということをしないといけないんだけど、それは共産主義のように、何らかの配分規定を設けてやっていくというより、ベーシックインカムや、違った共同的経済を回す方法を考えないといけない。そこに、本質的に行き着いてしまう気はしますけど。

 

佐々木:アメリカで起きていることなども、そうですよね。トランプ、ヤスクとかそういった人たちなどが資本を取って、そこで、ちょっとソーシャリズム的な動きが起こったりしていて。

 

落合:あれは、キャピタリズムとソーシャリズムを同居させようとしているから、あまりドラスティックにはいかないけど。ただ、専制主義が行き過ぎた先に起こるのは、革命ですから。

 

佐々木:それは、斎藤幸平さんが言うような、新しい計画経済みたいなものですか?

 

落合:新しい計画経済よりも悲惨で、多分、普通に暴力革命だと思いますけど。

 

佐々木:先進国でも、起こり得る。

 

落合:全然、起こり得る。結構、暴力革命の気配を感じますけど。問題は、昔は軍事的な能力も、意外と人間が戦っていたので、人間の側にまだあったんですけど。今は実際、殺傷兵器のほうを、ものすごく作っているので。殺人ドローンは年間、どのぐらいだろう。多分、2,500万台ぐらい、今、作っているんじゃないですか。ウクライナやイランなど、戦争で戦っているところだけで、800万台ぐらいやっているはずなので。

 

 

自動兵器と能力の再分配

佐々木:確かに、今は国家と国家の争いが多いですけど、殺人ドローンや殺人ロボットを使って、何か革命を起こしたいという、すごい個人やグループがいたら。

 

落合:むしろ逆で、そういうドローンなどを軍備として持っているのは資本側なので。それが、蜂起した人間を殺す、という感じだと思いますけど。

 

佐々木:そうしたら、革命は起きないじゃないですか。

 

落合:逆に言うと、国民が起こそうとして、それと戦う。「ターミネーター」より悲惨な、ターミネーター社会になるという。

 

佐々木:次それが来る?

 

落合:その匂いはしますね。

 

佐々木:あまり、ろくでもない社会ですね。

 

落合:そこは、さっき、西洋、東洋というように分けた、いくつかの思想的な系譜の中で、我々の社会は人工物と共存する社会なので。そちらには、あまり行かないかな、という。

 

佐々木:日本は、そういう感じではないですよね。

 

落合:我々は、軍事革命を起こしたことがないのでね。

 

佐々木:アメリカなどは。

 

落合:アメリカは、独立戦争はしたことがあるし、南北戦争もしたことがあるから。意思決定ができずに戦いになる、市民戦争に発展するというリスクは、なくはないと思いますからね。

 

佐々木:でも、専制側が武器を持っていたり、AIなどで管理できたりすると、反乱の芽は摘めるんじゃないんですか?

 

落合:ただ、それがオープンソースの強さで。兵器を作ったり、危ないことをさせたり、ハッキングしたりするためのAIも、今、ゼロ円で手に入りつつあるじゃないですか。まだ計算機資源がないと動かないけど、悪いことに使おうと思えば、そういう能力も再分配されているので。そういった意味では、そういう戦いを繰り返すんだと思いますけどね。

 

佐々木:ロシアや北朝鮮、中国など、そういう専制国家で、革命が起きやすいんですかね。

 

落合:というよりは、資本主義が専制的に見えるところのほうが、内側は弱い気がします。

 

佐々木:例えば、どういうところですか?

 

落合:アメリカとか。

 

佐々木:やっぱり、アメリカか。どこかの州で。

 

落合:「どこかの州で」というような。芽は摘まれるとは思うんですけど。そういったことが、比較的、増えてくる社会になっていくのかな、と。それに対して、人口が減少していて、テクノロジーで置き換えても、我々はあまり困らないという日本は、比較的、いい社会だと思いますけどね。

 

 

狩猟採集1.0と狩猟採集2.0の違い

佐々木:分かりました。マタギドライヴの社会では、嗅覚などを磨き、人間力も磨く。

 

落合:人間力を磨く。それは普通なんだけど。結論としては、狩猟採集行動と、この自動発展のバランスが重要なんですよ、多分。何かを探索していくだけのことをやっていたら、昔どおりなので、多分、その人たちは、そんなに恩恵が得られないんですよ。それは「狩猟採集1.0」なので。

 

「狩猟採集2.0」になっているのは、こちらの、自律発展する自然と対話できているということ。自律発展する自然と対話できていれば、毎日が自然とつながっているし、能力が増えていくはずなんですよ。能力が増えて、かつ、狩猟探究行動に出ていれば、常に恩恵が得られるはずなんですけど。

 

佐々木:AIなどに精通し、適応して、それによる能力の増強を日々、感じつつ、その世界だけにいるのではなく、いろいろなカオスや自然の中にもいる。そこで身体感覚や嗅覚を磨く。その両方をやりながら行くのが、一番いい道。

 

落合:はい。そうでないといけない。

 

佐々木:落合さんが、まさしく実践していますもんね。

 

落合:よく実践していますね。マタギ性は、農耕社会の完全否定ではないので。農耕社会から得られるものが自然化したことで得られる恩恵は、それは持っていかないとね。子どもには、複雑なものに触れる経験を

 

佐々木:子育てなども、そういう考えを応用すればいいんですかね。

 

落合:そうでしょうね。味の話をすると、「味覚がお子ちゃま」と、よく言うじゃないですか。「うちの子は、舌がお子ちゃまなので」とか。ただ、「お子ちゃま」というのは失礼な言葉で、子どもでも、味覚がしっかりしている人は、しっかりしているし、そうでない人は、そうでない。それは、どれだけ複雑なものに喜びを感じたかだと思うので。

 

佐々木:複雑なものを、あらゆる領域で経験させてあげる、という。

 

落合:経験させてあげる、

 

佐々木:一番、複雑なものは、自然ですもんね。

 

落合:自然ですね。

 

佐々木:だから、自然の中で遊ぶのは、やっぱり一番いいんですね。

 

落合:自然の中で遊ぶことは大切ですね。ただ、その自然も変化しつつある。計算機自然まで入ってきちゃうと、自然は、もはやドパガキみたいなものになっている。

 

佐々木:刺激が多い自然ですね。

 

落合:刺激が多い自然の中で、「刺激の弱い自然も楽しいし、刺激の強い自然も楽しい」という世界を、ちゃんと生きないと。

 

佐々木:温暖化がどんどん進んで、今はゲリラ豪雨などもいっぱい起きていて。自然と戯れるのも、難易度が上がっていますよね。

 

落合:難易度は上がっているけど、気候が変動したって、自然は自然です。

 

佐々木:ありますもんね。

 

落合:自然は自然です。人間は、自然を克服し得ないので。中年は、AIに精通しながら、別の世界を探索する

 

佐々木:子どもや若者の生きる道も、何となく見えてきました。中年は、どうしたらいいですか?

 

落合:中年は、毎日、成長が感じられれば。

 

佐々木:だから、AIに精通して、適応すると。

 

落合:AIに精通しつつ、AIのコミュニティには行かないほうがいいじゃないですか。

 

佐々木:行かないほうがいい。なぜですか?

 

落合:AIに精通しながら、AIではないコミュニティで探索していったほうがいいと思います。

 

佐々木:何をしたらいいですか?人によって違うとは思うんですけど。

 

落合:「俺は、これの味が分かる」というものを探すかな。あとは、「この分野に意味を与えられる」ということをやる、とかじゃないですか、中年は。

 

佐々木:意味をね。祭りは、意味に先立つ

 

落合:意味づくりから始められる。よく、「祭りは、なぜやるのか」と言うんですけど、祭りは意味に先立つので。意味はないけど、祭りは始まる。そして、祭りが終わると、意味が生まれるんですよ。「祭りで、なぜ神輿を担ぐんですか?」と聞いたら、「そういうものだから」と言われるんですよ。だけど、祭りを終えると、担いだ人は意味を与えられるわけなので。そういう意味を与えられる、意味づくりを始められる人が、やっぱりいいと思いますね。

 

佐々木:それなら、祭りは復権しますね。

 

落合:祭りは復権します。いろいろなところで、祭りは復権しつつありますね。

 

佐々木:阿波踊りなども、盛り上がっていますよね。

 

落合:ああいうところぐらいでしか、人間が生きる意味を感じられなくなっている、というのは、そのとおりだと思います。毎日、「Excelを500枚、書ける。うれしい」という喜びを持っている人は、そんなにいない、というね。

 

佐々木:そうですね。そうしたら、AI空間以外での喜びや楽しみ方が、いっぱい再発見されたり。

 

落合:再発見されていくと、いいですね。

 

佐々木:そこには、すごく価値がありますね。どういうものが来ますかね。祭りがありますよね。昔、恋愛も言っていましたよね。

 

落合:恋愛もある。

 

佐々木:あと、スポーツか。やっぱり、スポーツも来るか。

 

落合:スポーツは、めっちゃあると思う。

 

佐々木:食も、従来どおりありますし。予測市場と、ギャンブルの広がり

 

落合:スポーツは、多分、人間以外がやるものも、結構、盛んになると思う。

 

佐々木:人間以外のね。それを見るだけで楽しむんですか?

 

落合:そうすると、予測市場とひもづくものが、結構、多くなるな。

 

佐々木:それで、ギャンブルに。

 

落合:人間は狩猟採集性を取り戻すと、ギャンブルから、なかなか抜け出せなくなるので。

 

佐々木:それは必然ですか? マタギっぽくなれば、やっぱりギャンブルも。人間の本能的なところがあるじゃないですか。

 

落合:はい。マタギ性を獲得できている人は、ギャンブルが生活になっているわけですよ。実際のギャンブルではなくて、何かを発見することが、ギャンブルの代償行為なので。ただ、それをしなくても、同じところにいてもギャンブル性が高まる、という意味では、人間が予測市場から撤退することは、禁止しない限り、ほぼあり得ない。

 

佐々木:どう思いますか?予測市場は、もっと盛り上がっていいと思いますか?それとも、ちょっと危険だと思いますか?

 

落合:危険ですけど、本質ですからね。我々は、狩猟採集時代から、構造は何も変わっていないので。

 

佐々木:何でもかんでも、ギャンブルになっていくんだ。

 

落合:何でも、ギャンブルになる。だから、ギャンブルをしなくても狩猟採集性を獲得できる人と、デジタルネイチャーになって、あらゆるものがデジタルでできて、そのうえでギャンブルだけをやっている人の、どちらがいいか、という。

 

佐々木:ギャンブル的なわくわくや不確実性が好きな人もいれば、苦手な人も多いじゃないですか。その人たちは、どうしたらいいんですか?

 

落合:でも、本質的には、不確実性が好きなように、遺伝的に組み込まれている気がしますけど。

 

佐々木:農耕民族でも。

 

落合:農耕でも、まだ遺伝的には、そんなに変わらないので。

 

佐々木:もともとは、狩猟採集からですもんね。

 

落合:その人を、ものすごくギャンブルが嫌いになるように仕込めば、そうかもしれないですけど。別に興味のない人でも、ずっとギャンブル台に座らせていれば、そのうち、はまるんじゃないですか。

 

佐々木:そうか。みんな、ギャンブラーになっていくと。

 

落合:結構な割合で。

 

佐々木:それは、別に悪い話ではない、ということですね。

 

落合:自然の変化ですからね。僕は、自分の本では、あまりイズム[主義主張]を語ることはないので。「こうしたほうがいいよ」という本は、あまり書かないじゃないですか。

 

佐々木:確かにね。

 

落合:「こうなっちゃうよ」という本か、「こうだよ」という本が多いので。「普通に考えると、こうなるよね」ということを、ずっと書き続けている。大体、そうなっていると思うんですけど。

 

 

マタギとして毎日の喜びを見つける

佐々木:落合さんは、今後マタギとして、どう生きるんですか?

 

落合:マタギとしては、狩猟採集性が高い、毎日、喜びがあるように生きたいと思います。いろいろなところに行って、土地を感じたりとか。(22分43秒あたりまで)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(文字起こし・ここまで)

 

 

専制主義と革命をめぐる話から、

「狩猟採集2.0」、中年の生き方、

祭りや意味づくりへ、というお話でしたね。

 

「狩猟採集行動と、自動発展のバランスが重要」

という言葉が印象に残っています。

 

あと、今日紹介した箇所では、

わたしが落合さんのスタンスに

共感を覚える大きなポイントのひとつ

「イズム」(主義主張)を語らないところも

言語化されていました。

 

 

これで2本目の動画の文字起こしが

2/3まで終了したので、この続きにあたる

最後のあと残り1/3のテキストは

また明日に!(^^)/

 

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●2021.9.1~2024.12.31記事タイトル一覧は

 こちらの記事(旧ブログ)からどうぞ

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 今日の音楽シリーズで12/31に全リストを掲載

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